『錬金313話 魔戦士タイセイさん、吹っ飛ぶ』
吹っ飛ぶタイセイとゲートが接触し、ゲートごと勢いが止まらずに後ろに吹っ飛ぶのは、スイの攻撃ならでだ。
ずっと余裕でいたゲートもこの時ばかりは余裕はなくなるし、後ろには壁があるのも把握しているだろうから、余計に余裕はない。
ゲートの後ろ側には壁があり屋敷の全体を覆っている壁だった。
壁に吹っ飛ぶと当然だが激突はまぬがれないし、ダメージも負うのも避けられなくなるため、必死に抵抗するも、タイセイもゲートもスイのアイスボールの力には無駄な労力となった。
叫び声が中庭に響くものの、もう止められない。
ドッカアアアアアアアアアン!
ゲートごと壁に激突した音だった。
「うわああああああああああああああ!」
「ゲート様ああああああああああああああ!」
壁は激突した衝撃で崩壊していて、かなり分厚い壁にめり込むと、二人は重なったまま動ける感じではないので、スイは俺に、
「フランツ、ゲートとタイセイは、やったよ!」
「凄いな!」
スイに感謝をすると、今まで苦戦してきたモフルンに変化があり、猛烈に俺に突進やら攻撃を繰り返していたのに、急に変化があったかのように停止しているのだ。
モフルンは元に戻ったのかな?
考えられるとしたら、ゲートがスイに吹っ飛ばされ、壁に激突していて、スキルに変化があったかだ。
「モフルン? 大丈夫かい、俺がわかるかい?」
そっと停止しているモフルンに近くに行き、声をかけたら、モフルンはハッと目を覚ましたかのようにして俺と目が合う。
「ご、ご主人様!!」
「モフルン、元に戻ったのだね、良かった!」
「私は………もしかしてご主人様に攻撃をしていたような気がしますけど!」
「もしかしてじゃない、本当に俺と戦っていたよ」
良かった。
モフルンは操り人形スキルから開放されていて、元のモフルンであるけど、俺との戦いの記憶はあるらしい。
「ごめんなさい、私はとんでもない事をご主人様やスイやリアにもした、ああああああ!」
「心配いらない、悪いのはモフルンじゃなくてゲートだ。ゲートはモフルンに操り人形スキルをかけていて、自由に操っていたのであって、私達と戦った責任はないから心配しなくていいのよ、誰も攻めたりしないから」
「スイ、ありがとう、私はマヌケだった。しっかりしなきゃ」
スイにも励まされてモフルンは完全に復活し、俺はひと安心する。
一番の目的だったモフルンが俺の目の前にいるのだから、これ以上は何も望まないです。
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