『錬金282話 クスさん、怖がる』
えっ、なんて言ったかな、俺の聞き間違いか。
トラムはクスは倒しましたと聞こえたが、どういうこと?
「えっ、トラム、今、私には倒しましたて聞こえました」
「私も聞こえました。フランツ村長は?」
「リアと同じ。聞こえました」
「オイラがクスは捕まえてます。多少は目立つことにはなったのですが、最小限に目立たなくしましたので、来てください」
「トラムについていくよ」
トラムに案内されて行った先は、街の中でもかなり人もいる通りで、酒場であった。
いわゆる酒を提供するお店であるが、ここにクスがいるというのはどういうことか、入ってみないと状況が見えないな。
トラムは足はしびれていて、震えているのが俺の目にも伝わって、酒場の扉を空けると、
「旦那さん、お客は入れませんでした」
「店主、協力ありがとうございます」
店内に入ると最初に店主が待っていて、トラムに頭を下げるのは、かなり怯えている風だ。
お客を入れてないというのは、何かな、よくわからないやり取りだった。
「お客を入れないのは、トラムが頼んだのかい?」
「オイラが頼みました、客が来ると面倒なのでね」
「面倒てなによ、私にもわかるように説明してよ」
納得してないスイが説明を求めるも、俺も同じで、説明して欲しい。
「ああ、そうでしたオイラがクスは捕らえてます、店内の奥にいますから」
「捕らえて?」
「もう捕らえてる!」
そういったトラム。
ちょっと展開早いな。
もう解決しちゃってるのかな。
だってモフルンはクスが連れ去ったのだし、もう終わりてことじゃないの?
とにかくトラムが言うように奥に行ってみたらわかるので進むと、大人数が座らされていた。
何ですかこの人達は?
「なにこれ?」
「クス盗賊団30人です」
「クス盗賊団なの」
「トラムが捕らえてくれたのかい、マジですか!」
確かに30人くらいはいそうだし、全員が拘束されていて、トラムを怖そうに見ていることから、トラムがやったのは間違いない。
それにしても、スゲえな、体しびれていてるのに。
「オイラがクス盗賊団を追跡して、この酒場にいるのを突き止めて、店内で全員を気絶させました。店主にはお願いして、店を閉めておいてくれと頼んだのです、客が来ないように」
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