『錬金272話 魔人ゲート視点 魔人ゲートはフェンリル族を狙う』
『魔人ゲート視点』
俺は魔人ゲート。
魔族である。
現在は西の大陸にいて、最近までは魔王ストラマーベルの配下であったものの、魔王から離脱したため、自由である。
離脱したのは俺が魔王の座を狙っているのをストラマーベルが気づいたからだった。
そう、俺は魔王になる男、ゲートだ。
フェンリル族が近くに居るという情報を得たのは、王都からで、とある情報筋からの信頼できる情報だった。
その情報では王都から離れた辺境の地と呼ばれる、まるで役に立たない土地を開拓し住んでいると言うもの。
フェンリル族だけでなく精霊と魔竜もいるというから驚きであろう。
どれも伝説級の怪物の魔物だ。
世界を制すれる程の力があると呼ばれるが、姿は見せないため、実在するかしないかわからないのだ。
俺が気になるのは、なんといってもフェンリル族だろう。
どうもフェンリル族は、辺境の地から近いシャドウ街に出入りするというから、これは俺にとってはチャンスだ。
そこでシャドウ街に来た俺はクス盗賊団に話を持ちかけた。
クスにフェンリル族が少ない頻度で来るらしいから、そのときに捕まえろとな。
もちろん報酬は破格の金額を支払うからと言うと、クスは喜んで引き受ける。
しばらくして連絡が入った。
クスからだった。
どうやら罠にかかったらしく、フェンリル族がシャドウ街に来ていて、そこを捕まえたと。
よし、いいぞ!
フェンリル族を得て俺は魔王になるチャンスが来たわけだ。
ストラマーベルを超えるのは俺だ!
「ゲート様。お連れしましたフェンリル族の女で、モフルン」
「女一人か」
「本来は男と女が一人ずついたのですが、薬が効かずに取り逃しました」
「なぜ効かない?」
「しびれ薬を飲んで気づいてため吐いたのです。そうなったら危険ですし、我ら盗賊団もやられますから、とにかくこの女だけ連れて来ました」
拘束されてきたのは女でモフルンという。
それと男と女は逃げたか。
薬が効かなかったのは、さすがとも言えるな。
並の冒険者なら確実に効くのだが、気づいたあたりは、伝説級なのを思わせるし、本物の証拠だ。
3人いたら最高だが、一人でも十分だろうし、3人も要求するのは盗賊団には荷が重いよな。
伝説級を相手にしたら、魔族だろうと、どれだけ被害者が出るかわからない相手だ。
それをクス盗賊団に要求するのは酷なので、金は支払う。
「よろしい、一人でも十分だ」
「ゲート様。金は?」
「ほら、金だ」
「ありがとうゲート様」
クスは金を与えると喜んでいた。
まだ使えそうだから、使えるだけ使うとしよう。
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