『錬金267話 モフルン視点 商人に売る』
『モフルン視点』
「あの、何かお探しの物がありますか、私がお聞きしますよ」
「ええ、農作物を作っているのです。これを売りたいのです」
私に話しかけてきたのは、成人の男性だった。
通りで私を見て近寄ってきて、見た感じは商人っぽい。
防具や武器は持っていないことから冒険者ではないのはわかるので、警戒はしなくてよさそうだし、話にのってくれそうです。
「ほお、これはコメとコムギ、それにタマネギなどもありますね。それに素晴らしい色あい。かなり質のいいコメでしょう。街で売られているコメよりも上質でしょう」
「ありがとう。うん、とても美味しいですコメは。ぜひとも食べて欲しい」
「このコメは光っていますね。珍しいし、見たこともない品種です! これなら私が高く買い取りします!」
偶然に出会った商人から声をかけられると、コメや農作物を高く買い取りしますと言う。
凄く評価してくれるし、高く買い取りするならいいかな。
それに怪しくもない。
だけど念のため、トラムにも相談する。
「どう、この人が買い取るっていってるけどさ?」
「いいと思うよオイラは。コメの価値がわかる人に売るのがいい。全然わからないのに売ったら酷いことになる」
トラムは頷くし、賛成した。
「私も賛成よモフルン」
トラムに続けてサラもいいと言うので、この商人に売るのを決める。
「この農作物の買い取りお願いします」
「ええ、では、こちらに私の商店がございますので、どうぞ来てください。ご案内します。それと私の名前は商店をしてます商人クスです」
「クス、よろしく」
クスという店主だった。
クスの経営するお店があるとなり、ついて行くと近くにあって、お店はしっかりとした商店だった。
怪しいお店ではなくて、中に通されると店内にはアイテムが売られていた。
アイテム?
農作物ではないのかな?
てっきりコメを買い取るから、農作物を扱う商人かと思ったが違った。
ただ商人は色々な商品を扱い、なんでも売るのかもしれないから、私の気にするところではないでしょう。
奥に通されて椅子に座る。
トラムとサラも横に座った。
すると名前を聞いてきて、
「お名前は?」
「モフルンです」
まあ名前なら問題はないでしょう。
わざわざ偽名まで使うことはないと思うから正直にモフルンと言う。
「モフルンさん、見せて頂いたコメなどの農作物は全部買い取りします。素晴らしい品種と品質です! いったいどこで作ったのです?」
商人クスが農地の場所を聞いてきたが、適当に答えておこう。
ご主人様の農村とはここでは言わないで、逆の方向にある村とかとしておく。
「ええ、農村は東にある村です」
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