『錬金256話 勇者視点 国王から呼ばれる』
『勇者視点』
「グラティアス、国王から招待されたわ。会議をするってさ」
「会議か。まぁ団長ルーリンのことだろう。なぜ俺も呼ばれたのか」
国王が呼ぶのは緊急である。
普通は呼ばれることはなく、もし何かあっても軍師ゴラッソがいるから、ゴラッソに伝えればいい。
ゴラッソから俺らや騎士団長ルーリンやギルドマスターに伝わるからだ。
だが直接に呼ばれたのは、異常な事態と国王も思ったに違いない。
なにせ騎士団を大軍で送ったら失敗したのだ。
「竜巻で団長のルーリンが飛ばされてきたのですから、グラティアスを呼び出すのは、詳しくフランツについて聞きたいからでしょう」
「国王は500人もの大軍の騎士団を送ったとルーリンは言っていた。その中には四聖騎士もいた。四聖騎士と騎士団の大軍は魔王に出会い王都に帰った。魔王ストラマーベルには勝てないからだ。魔王ストラマーベルもフランツの農村に行ったら負けて住人となったと。最悪でしょ、魔王も住人て、どんな農村ですか」
ミーシャは魔王ストラマーベルの行動には不可思議と思っていても、魔竜と同じ住人になったのは驚異に感じているはずだ。
フィーネルも同じだろう。
恐ろしく強力な戦力を有することになった。
住人のどれも伝説と呼ばれる存在で、厄災級とか神級とかも呼ばれる奴らだ。
「フランツは錬金術で、魔王を操れるのではないかな。ドリアード族とフェンリル族も操り、魔竜も操るとすれば、話は通る。俺も剣術が使えなくするように操ったかもだ」
「操られてる感覚あるの?」
「操られてる感覚はわからないな。俺は以前と変わらないとしか言えないのに、剣術は使えない。自分の感覚ではわからないレベルで操るとしたら、かなりの高度なスキルね」
「うん、とにかく国王のいる城に行くしかないのよ。さぁ出ましょう。遅れたら不味い」
「そうね」
俺ら勇者パーティーは国王に呼ばれて城に向かう。
城は厳戒に警備されており、許可された者しか入れないが、俺は勇者パーティーであるので、顔パスだ。
警備兵も俺の顔は覚えているからだ。
部屋に通されたら、ヤニス国王、軍師ゴラッソ、ギルドマスターのタップ、騎士団長ルーリン、四聖騎士の四人がいた。
「おお、勇者パーティーらよ、来たか、座りなさい」
「はい、国王」
俺達は席につくと、さっそく議題に入る。
話を切り出したのは軍師だった。
最初にルーリンだ。
「ある程度の話は四聖騎士から聞いていた。フランツの領地に遠征にいった際に、途中で魔王ストラマーベルに遭遇した。魔王は待ち伏せしていたと?」
「はい、大軍で騎士団が動いたので、様子を見てきた。そして魔王と魔将娘の3人もいて、戦いになったが、とても強力でした。そこで私は自分だけ残るとして、他の騎士団は王都に返しました。魔王は遠征先を教えるという条件をつけておいたので、納得した」
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