『錬金231話 貯水槽を作る』
ただ漠然と貯水槽を作るて思いついたのではあるが、作れる自信があるかというとないのだった。
そもそも貯水槽を作ったこともないし、見たのはあるかもだが、構造まで詳細な部分は知らないのが現状だ。
なんとなくのイメージでは、プールみたいな形をした中に、水を入れるのだろうと思うけど、そう単純な構造ではないとして、とりあえずは、ミスリル合金使う。
ミスリル合金で形を作ると中に水が入ったとして、外に漏れる心配はないし、破裂したり、穴が開くのも防げる利点がある。
強度が足りないと、壊れてしまい水漏れの原因になりえるので、ミスリル合金を用意する。
倉庫からミスリル合金は用意してあり、大きさは家と同じくらいの規模を構想したのは、家でも使うし農地の農業用水としても使えるからで、水量は多くしたい。
「フランツ様、ミスリル合金で外側を作るのですか」
「うん、外側をミスリル合金で作り水が漏れないようにする」
ミスリル合金を貯水槽の形に変形させていき、いきなり農地に大きなミスリルの箱が出来た。
けっこう大きく作れたな。
高さはスイが貯水槽の中をのぞける高さにしたのは、スイが貯水槽に手から水を入れておくので、あまり高すぎると水が入れられないのだ。
そこで高さは低く面積を広く設計して作ったのを、スイに確認してもらうと、
「広い箱です。中は何もないですから、ここに私が水を入れるということですか」
「そうだな、今、出してほしい、水が漏れてないかも確認したい」
「わかりました。出してみましょう、でもこんなに広いと時間かかるな」
ドボドボ。
ドボドボ。
両手からスイは空っぽの貯水槽に水を投入していくのを、俺はじっと見守るしかなく、水漏れしないのを祈る。
水が出る水量と勢いはゆっくりで、時間はかかったものの、8分目くらいにきたところでスイに停止をお願いする。
「停止だスイ」
「はい、止めます。だいぶ入ったよ。凄い池みたい」
「池だな。ありがとう」
スイが言ったように、池みたいであって、大量の水が張られたのは、スイには感謝して俺を言うのは忘れない。
もはや池でありプールみたいに泳げそうだな。
ここまでは貯水槽の基本的な貯水部分は完成したが、残りはこの貯水槽から水を使うためのパイプラインがいるので、それがなければ、ここから井戸を使うのと同じになってしまう。
よってパイプラインを貯水槽に設置し、設置したところから、農地に伸ばすラインを作るのが必要だ。
パイプラインに関しては貯水槽と同じく、ミスリル合金で作るのがベストで、途中でで破損するとそこから水漏れして、貯水槽の水が最悪全部漏れるという事態に繋がるため、頑丈に作るのがよい。
まあ水道管みたいなのをイメージしたらいいかな。
農地にいつでも水を流せる仕組みで、これが成功したら近代的でしょう。
とにかく考えるのは出来たから、作ってみようと思う。
パイプラインの形になるように形成し、丸い筒になればいいので、筒状に作っていくと、長い筒状が作れた。
その筒状のを貯水槽と接続し、もう一方を農地に設置し、蛇口を作っておくのもやってみた。
蛇口はひねると、貯水槽からの水が出てくる仕組みで、よくある水道の蛇口と同じのだが、果たして水が農地に来るかどうか、蛇口を閉めたら、水が止まるかだ。
「よし、作ってみたぞ、スイ、この蛇口を回転させてみて、農地に水が流れる」
「回転させてみます、でるかな?」
農地側で蛇口を手にして回転させるスイは不安そうであり、俺はもっと不安であったが、最初は出なかったら、直ぐに水が大量に流れてきた。
「あわああああああ、フランツ様、水が来ましたよ、成功です!!」
「うん、上手くいったな。これで農地で農作業する際に、いちいちスイを呼んで水をしなくても、この蛇口でいい」
「便利ですね」
何とか成功したみたいです。
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