『錬金230話 貯水槽を作る』
リアは俺を見ている。
「俺はリアを好きだし大切な住人でもある。魔王とリアが結婚させるのはさせない、必ず止めるし、リアを誰にもあげないさ」
「ありがとう、フランツ村長がそういってくれるのだけで十分です、今は」
今はか、と条件付きみたいだが、リアは納得もしてくれていると思う。
どうも俺はまだ結婚願望が少ないようです。
するとスイも、
「魔竜も結婚したい」
「スイもか。どうしたの」
「魔竜族は普段は人族にはまるで興味もないし、好きでもないし、魔族に負けて滅んでもいいの、でもいったん人族を好きになると、とことん好きになる習性があるみたい、それが自分でもわかった」
なんとスイは俺が好きだとなって、それを自覚してきているらしいが、魔竜に自覚される俺の気分は複雑です。
「スイは魔竜時代は孤立していたから、余計に村長の存在が大きく感じるのだと思う」
「てことで、フランツ様と今日は寝ます」
俺がベッドにいたらスイが抱き着いてくるようにした。
「私もよ!!」
リアも続けて飛び込んでくると、こうなると残ったモフルンも同じく飛び込んで来たのを受け止める。
その日は朝からいい天気であって、俺はやりたいことを決めていて、スイに話した。
「なあスイ、今日は作りたい物があるんだ、それはスイに関係しているんだけど、いいかな」
「私に関係しているもの、何だろうかな。魔竜用のものかな」
「きっとスイが暴れてもいいようにミスリル製の檻じゃない?」
「ちょっと、なんてこと言うのよリア、私に檻は必要ないもん」
そういうが檻は必要な時もないわけではないが、だが今は違っていて、
「農地に行こう、外に設置したい」
「はい」
「檻じゃなくて良かったね」
リアに言われて笑っているスイを連れて農地に、モフルンとリアは部屋に置いておく。
農地は広くて家の近くはまだまだ空いてるし、スイと空いている敷地に。
実は考えていたのは、水であった。
毎回水はスイにお願いして手から出してもらっていたから、大変であるし、手間もかかると思う。
そこで外に水を貯めて置ける貯水槽を作ると便利と考えてみて、スイを連れたのだった。
貯水槽を作ることで、スイがいなくても水を利用できるし、手間もかからず、効率がいいかなと。
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