『錬金229話 焼きそばを食べてもらう』
無理に食べなくてもいいので、この食事は残して構わないですし、別にパヒューナのために料理をするしだ。
それは伝えておこう。
「パヒューナ、無理に食べなくていいんだ。特殊な料理だし、別のを作る」
「そうよパヒューナ、残していいわよ」
「いいえ、無理じゃないです、とても美味しいです」
美味しいらしいのは良かったが、違う問題があるのかなと感じるし、悩んでもいるようだ。
「それじゃどうしたかな、単にご主人様のことが嫌いとか。わかるよ、その気持ち、だって魔王と農村を制圧に来たのに、逆に制圧されちゃったでしょ、そのご主人様の料理は食べたくないわけでしょ」
「いいえ違いますモフルン、逆です。農村を制圧しに来た我らを、こんなにも歓迎してくれ、料理まで出してくれるもてなしに感激しているのです。村長と皆さんの気持ちに、パヒューナは感激してます」
「そうでしたか、ご主人様は心の広いお方なの。そういうところにひかれて私も農村に引っ越したと言えるわね。リアも同じでしょ」
「そうよ、村長はただ強いだけじゃないの、強くて誰でも受け入れる考えがある人。素晴らしいし、ドリアード族の私の父と母もフランツ村長を気に入りましたから」
「魔将娘のビビも、勘違いをしてました。人族は天敵であり、魔族の邪魔者でしかない、生きる価値もないと思ってた。そんな人族であるフランツから料理を出されて、それも美味しいし、考えが変わりました」
ビビもパヒューナも人族には少なからず、嫌いな感情があったらしいが、今日の料理で少し変わったなら、料理がきっかけになりそうだ。
「農村で取れた農作物で親交が深まったのは、俺は嬉しいよ」
「あはははは、焼きそばで人族と魔族が友好的になったか。面白いな。それはいいが村長よ、今日は酒はないのかい?」
「ガーター師匠が全部飲んだからないってさ。ご主人様にお願いしておきなよ」
「酒を頼むよ村長」
「簡単に言うなって!! でも酒は街に行くときに買うようだな、まだ農村では酒を作るのはしてないし、作る技術や知識がない」
「そうか~残念だな」
「魔王様、酒はお好きですよね、人族から奪った食料に酒もあるから」
「ああ、俺は酒は好きだ。でも最近は人族とほとんど接してなくて、酒は飲んでないな」
なんとも魔王は酒好きらしい情報が入って、人族の酒はよく飲んでいたとも。
まあ、あり得ない話ではないし、むしろあり得る。
問題は酒癖がいいのか、悪いのかで、悪いとなれば最悪だろう。
ガーターと魔王で悪酔いして暴れるて地獄ですよね。
ガーターから酒の催促があったのは、予想されることであり、俺も予想していたところだったので、はっきりと言っておいた。
次に街にはいくときに購入はしたいな。
ただガーターおよびフェンリル族の人には、注意は必要ではあるが。
あの悪夢のような暴れる酒癖の悪さは、俺は一生忘れないです。
焼きそば料理も食べ終えて、各自は自分の家に帰った。
魔王は魔王の家に、フェンリル族はフェンリル族の家にだ。
料理が農村を一つにしている感覚があって、面白いなと思った。
今後も農村を拡大していくとしよう。
「フランツ村長、私が好きて言ったのはどう思うの?」
みんながいなくなりリアが急に言ってきたのは、たぶん魔王との争いで、リアが魔王ではなく俺と婚約しているとし話の件だろう。
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