『錬金220話 騎士団長ルーリンさん、腰を抜かす』
「無理だ! こんな戦力強い農村を放置しろと言っても、国王は許しません絶対に。王都を攻めないとかいくら説明されても信じるかよ。私は騎士団長ルーリンだぞ、この状況を見逃すほど甘くはないのを知るがいい。報告したなら、この農村は危険地区、フランツは危険人物と認定される。すべての騎士団全軍と、冒険者ギルドに登録された冒険者全員から敵とみなす。即刻で農村を撤去させろと指令がくる!」
「酷いです、ご主人様は敵意がないのに、一方的に敵とみなすとは。国は酷いです」
「フランツを元々は追放したのは勇者パーティーとギルドマスターですよ。ギルドマスターが追放したからフランツは王都を出て農村にきて、新しく生活を始めたのです。そこで私のドリアード族とフェンリル族は出会ったのですから、このような農村になったのは冒険者ギルドに原因があると思う。悪いのは勇者パーティーとギルドマスターでしょう」
リアが我慢ならないとばかりに怒り気味で言った。
俺をかばうためとはいえ、感情的になっているリアは珍しい。
言っていることは正にリアが正しいとは思うし、俺だってこうなったのは王都の連中が俺を嫌い、役に立たないして、追放したからに他ならない。
それを知ってて来たのだから、ルーリンはかなり意地の悪い人だなて思った。
いまだに王都は俺のことが嫌いらしいのがわかったし、そこえ帰りたいとは思わないよ。
「ギルドマスターと勇者パーティーから追放されたのは聞いてます、しかし追放されたからといって、何をしてもいいというわけではない。考えられない戦力なら早めに潰すのが得策となりえる。調子にのったな村長さん。いくら王都から距離はあっても、直ぐに耳に入るのさ。騎士団の情報網をバカにしてはいけない」
「それじゃあ、団長さんはフランツにどうしろと言うの?」
「そうだな、今すぐに住人になったものを解散することだ。特に精霊ドリアード族とフェンリル族は危険だ。ガーターとかいうフェンリルの強さは異常。もはや国家総動員しても太刀打ちできないレベルだ。元の住居に戻れということだ。さらに魔王もだ。魔王も接近してはいけない。私の命令だ。従わないならば、王国軍師にそう伝えるまでだ、それでもいいのか」
「解散!!」
「ご主人様、私は解散しませんよ」
「私もですよ。一緒にいます」
スイも嫌だと言った。
かなり強気な言い方してくるよな、この団長さんは。
騎士団のトップに立つには、これくらい強くないと統率できないのかもだが、俺としては受け入れられない内容である。
せっかくここまで作った農村を手放すのと同じで、リアとモフルンを手放すのは嫌だ。
いくら騎士団が命令してきても、俺は従わないし、最悪意見がぶつかり合いにまで発展するのも覚悟しておく。
「俺は村長であるから、はっきりと言うよ。騎士団が住人を解散しろと言っても解散する気はないとだけは言っておく。それでもダメと言うなら、対立も考えるよ。だってリアもモフルンも大事な住人だから」
「バカな奴だ。もっと頭のいい男かと思ったが、こんなバカな男とはなガッカリした。国を敵に回すとはバカだ。とんだバカな村長の村だと、王都には伝えておこう、いいな」
ルーリンは従わない俺をあざ笑うかのように言った。
俺が能無しの村長という感じで。
そこまで言うかな、俺は悪いことは一切してないのに、そこまで否定するかな。
あまりにも一方的な言い方に対してスイが、
「あなたね、いい加減にしなさいよ。フランツ様をバカとか冒涜したのは許せませんことよ。謝りなさい」
「誰あなたは? 住人でしょ、住人が私に偉そうに言うのはやめなさい。自分の立場で物をいいなさい。言える立場ではないでしょ、それくらいわかりなさい。わからないなら、黙っててなさい青い髪の女の子ちゃん」
「黙ってられますか、これが。私はフランツ様をバカにするのは許せません!」
ああ、ちょっとルーリン団長さん、スイを刺激するのはそこまでにした方がいいですけど。
ただ団長さんも気が強い感じでスイに言い負けないでくるから、俺は困っています。
なぜならこの感じで勇者パーティーも酷いことになったからな。
知らないぞ!
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