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『錬金216話 魔王さん、負けを認める』


 俺と魔王が激しく戦いになってしまい、やはり魔王て感じの強力な強さでして、勇者パーティーが戦いを避けているのも納得できる。

 だがそこでガーターが現れて、三人の魔将娘を軽くぶっ飛ばすと、続けて魔王も一撃で沈没させるいう、規格外っぷりを発揮する。

 もう俺としては言葉がないし、ぼう然としていた。

 ガーターは、


「魔王だったか。でもリアを守れたのだし、俺は良いことしたよな、あはははは」


「あはははは、じゃない!!」


「笑ってごまかすな!!」


 とにかく魔王は苦しんでいて、ようやく立ち上がると、


「い、い、い、いったい、なんでかわからないです、俺は負けたのか?」


「そうですよ、魔王、あなたはガーターに負けました。もうこれ以上の戦いは意味ないでしょうから、おとなしく農村から去りなさい。そして私と結婚するのはあきらめなさいね」


「リアをあきらめろと、ううううううう、俺はずっと探していたのだぞリアを。そうしてようやく発見したのにあきらめてくれてのは厳しいよな。リアは必要なんだ、俺は最強になるんだ、リアが欲しい、リアが欲しい!!」


 リアに最後通告された魔王は、あきらめきれずにいて、まだリアに未練があるのを訴えるのは、ものすごい執着心だった。


「だめよ、あきらめなさい魔王。リアがそう言ってるでしょ」


「リアは村長と婚約している。村長が好きなのよ」


「ううううううう、魔王の俺よりも村長を?」


「はい、私はフランツ村長と婚約してるの。残念ですね。これは変わりません」


「ううううううう、村長に魅力で負けてるのか俺は。悔しい、悔しい、負けるのは認めたくない、まだ認めたくはない」


 執着心の強さがリアをまだあきらめられないらしいが、リアは困っている。

 実は俺もはっきりとリアに好きとか婚約とか言われているので困っていて、恥ずかしい。

 たぶん、今の俺は顔が赤いだろうな。

 

「おい、魔王、俺はフェンリル族でありモフルンの師匠をしているガーターだ。突然に殴って悪かったが、さすがに魔王の名を名のるだけはあるな。普通の魔族や魔物なら立てないはずだが、もう立ってるし、よく鍛えられている。その点は誉めてやろう」


「やはり伝説のフェンリル族であったかあなたは。俺は魔王として初めてフェンリル族と会った。あくまでも伝説であり存在しないとも聞いていたくらいだが、伝説の名に恥じない強さに負けを認める」


「セルラは魔王様の力になれませんでした!!」


「魔王様、ご無事で何よりです、ビビが力になれなくて!!」


「パヒューナも、魔王様に何もできずに情けないです!」


「いいのだ、魔将娘、俺は実力で負けたのだガーターに。これは魔将娘のせいではない、気にするな」


 魔将娘も苦しそうにしつつも、立ち上がって魔王に自分の非力さを言った。

 俺から見ても魔将娘の強さは本物であったけど、ガーターが異常に強すぎて上を言っていただけだ。

 こんな魔王と魔将娘で王都に攻めたら、王都は困るだろうし、パニックだろうな。


「魔王にいうけどよ、お前も男ならリアをあきらめることなく、もっと強くなれ。今よりも強くなれる能力を備えているぜ。まだまだこれから成長できるのを俺が保証する、だからもっと強くなってから、正式にリアに結婚を申し込んだらいい」


「俺がまだまだこれから成長すると?」


「そうだよ、成長できるさ、成長したらリアも考えが変わることもあるぜ、頑張れよ魔王」


 ええっ、魔王に説教ですかガーター!

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