『錬金194話 ギルドマスター視点 王国軍師は警戒する』
『ギルドマスター視点』
「タップ、今の話は真実なのかい!! 私は王国軍師として、真実なら国家の存亡にかかわることだぞ!! 魔竜一匹でも国が滅ぶのと言われている。それは最悪の強者、最悪の暴虐ともな。もし本当なら今すぐに調査が必要だ。すぐに調査しろ、そしてどこまで危険なのかも調べろ、知りたいのは、攻撃してくる意思があるのかだ、いいな、早急に調査だぞ、これは国王にも伝わるぞ。フランツを王都に呼べ!!!!」
「わかりました、ゴラッソ」
ゴラッソとは王国軍師であり、ターバンド国において権力者で、国王の側近でもあるし、ゴラッソのいうことは国王も信頼すると聞く。
それで今日は会議に軍師のゴラッソも呼んだわけで、最も恐れている感じがすから、魔竜についても、フェンリル族についても、騎士団長ルーリンよりは情報があると思えた。
おそらくは存在しているのも、どこかにいるのも知っていたかもだが、それを聞いても答えないだろう。
「私が行こう!!! 調査には。危険性を考えても、最上級の危険度だ。王国騎士団長の私が指揮する」
「頼むよルーリン、勇者パーティーのグラティアスが負けるとなると、危険だぜ。騎士団も大部隊で行くのがいい」
「勇者パーティーが退散する。ヤバいのは間違いないが倒さなくても、フランツという錬金術士を連れてくことは可能だと思う」
倒すのは難しいだろうな、なにせ勇者パーティーが退散するて普通じゃないし、いくらグラティアスが不調でも強さは最強であるからな。
ルーリン強いから心配はしてないけど、フランツを呼ぶのなら可能だろう。
俺も話はあるし、王都に出現する魔物の謎について聞きたいのがある。
ルーリンが行くと決まると後方からスッと現れたのは、
「ルーリン団長! 我ら騎士団四聖騎士も参上します!」
「うん、私についてこい四聖騎士よ、騎士団の強さをみせてやれ、勇者パーティーや、冒険者ではダメだと世間につたえるのだ!!!!!」
出てきたのは四聖騎士というルーリンのお抱えの騎士で、四人組のことから、いつしかそう呼ばれることに至った経緯があり、実力は認められている。
ただし、厄介なのは、冒険者ギルドにやたらと対抗心がある点で、冒険者を下に見るところで、勇者パーティーが失敗したと聞いて、ここぞとばかりに出てきた感じある。
「四聖騎士の聖豪のバランジェットは魔竜をつかまえます!!!」
「四聖騎士の聖寂のシェーダーはフェンリル族を倒してきます!!!!」
「四聖騎士の聖炎のマンドレルは精霊ドリアード族をフルボッコにしてやります!!!」
「四聖騎士の聖霧のリリカルはフランツを倒して、王都に連れてきます!!!!」
「必ず成功させろ、それがお前たちの使命だぞ、国王も喜ぶぞ!!!!」
「はい、軍師ゴラッソ!!!!」
四聖騎士の連中は軍師に約束をしたが大丈夫かと思う。
威勢はいいが、相手が魔竜なら、一筋縄ではいかぬのは、俺でもわかる。
まあ、行ってくれるならギルドマスター的にはありがたいです。
勇者パーティーが、あのざまであるからな。
緊急会議は終わりになった。
「失敗は許されないぞタップ、わかっておるな。失敗したらギルドマスターの職はないと思え」
「はい」
軍師ゴラッソが不安そうにして去ったのは、俺の話にかなり驚いたからだろうが、ゴラッソは国王の側近であるので、俺とは立場が違う。
責任の感じ方というか重みだ。
俺のように単なるギルドマスターはまだ責任は軽いのだ。
でもヤバいよな、このままルーリンが失敗したら、俺は失業する!!
とんでもないことに、なってきたぞ。
こんなことなら、こんなことなら、錬金術士だからといって、フランツを追放しなければ良かった!!
なんで俺は追放したのだろうか、いや、あの追放した時点ではフランツがこんな問題になるとは、思いもしなかったのだ。
錬金術士なんて冒険者としては外れスキルだし、必要ないと思うのは当然だった。
追放されたフランツは、なんて言ってたかな、なぜ?とか、俺は貢献しているとか言ってたのは、今になって気になるところ。
ルーリンと四聖騎士の四人組も去った。
このままだと俺の立場が危ないので、勇者パーティーの責任にしてやりたい。
軍師ゴラッソに嫌われたら終わりだ。
俺は38だが、軍師はもう60近いオッサンで、重鎮であるから、国王も軍師は信頼しているという。
ちくしょー、俺のギルドマスターの立場は絶対に譲らないぞ!!
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