『錬金179話 勇者視点 王都に逃げる勇者さん』
『勇者視点』
「グラティアス、何あれ、どうなっているの」
「知らん、意味がわからない」
「私も意味がわからないし、理解できないでいる。あんなの通常ではあり得ないメンバーがいた」
馬車で王都に帰った。
もう何が何だかわからないぞ。
なぜフランツの農村にあんな化け物がいるのだ!
信じられないことに、魔竜という、最強種族の一人がいた。
そして従わせていたのだ。
あり得ないし、聞いたこともない。
魔竜は負けたら従うらしいが、どうやってフランツが勝てるのだ。
このあとにどうするかな。
何をしに行ったか、わからぬまま王都に帰ったので、自分でも歯がゆい。
「農村にいて、何をしようとしているのかしら。あれだけの戦力は驚異でしかないわ。魔竜にフェンリル族も数人見たし、精霊ドリアード族も三人いた。異常な戦力ですから、直ぐにギルドに報告したら。国家を潰せる戦力です」
フィーネルからギルドに報告しろと。
元々はギルドマスターからフランツを探してこいと命令されて行ったのに、フランツは連れて来れないし、逆にボコボコにされて帰って来ましたと報告するのか。
確実にマスターは、怒るだろうな。
理由をしつこく聞いてくるのはみえみえだ。
だがそのまま報告しないのも問題になるから、未報告は不味い。
「ギルドマスターに報告するか。あまり会いたくないが」
「怒鳴るからね」
冒険者ギルドにて、受付嬢にタップを頼む。
ギルドマスターのタップは、やって来た。
「おお、グラティアスか。それでフランツを連れた来たのだな。どこにいるフランツは?」
連れてきて当然て感じである。
「タップ、残念ながらフランツはここにはいない」
「はぁっ? どういうことかねグラティアス君。俺の命令に背いたと?」
「いいえ、フランツは発見しました。確かにいました。でも連れてこれませんでした。決してそむいたわけではありません」
理由を言う前に疑ってきているのは、タップらしい。
この男は必ずしつこく疑う性格だ。
そして欠点をみつけては、報酬を減らす。
厳しいあら探しにあうと、冒険者は報酬を減らされても、言い返せないので、ギルドは儲かるのだ。
「なぜ、連れてこないのか、理由を言えよ! 言わないなら、ギルドに歯向かうとギルドでは判断する。グラティアスはギルドに逆らう危険人物とな」
全く嫌な奴だ。
しかし俺の報告を聞いたら、なんて言うかな。
下にある★★★★★から評価してもらえると嬉しいです(^^;




