『錬金175話 魔竜さんと知る』
魔竜とあかされて、グラティアスは、ぼう然とした。
勇者パーティーでも避けていたのが、目の前にいるのなら、言葉がないのは当然だった。
魔竜なのを疑う余地はなくて、なぜならスイはグラティアスの攻撃とミーシャの魔法を受けても傷もないからだ。
その実力差にショックを受けるだろうから、疑うのも必要ない。
「魔竜……確かにこの強さは異常、ケタ外れの強さ、Sランク魔物とかのレベルじゃない。化け物です。しかし魔竜をここで狩れば、世界最強の勇者になれる、俺は最強になれる!」
「そうね、魔竜を倒しちゃいましょう、なんとしても魔竜を、そうしたら英雄です、私は英雄です!」
フィーネルは魔竜と聞いて、興奮していた。
伝説の魔物を見て震えているけど、興奮もしているのはさすがか。
「ふふふ、まだわかってませんよ、ご主人様。私も参戦します。勇者パーティーていうレア物と戦うのを許可を」
「どうぞモフルン。俺は止めはしないけど、ほどほどにな」
「はい」
モフルンがスイに影響されたのか、興奮していて、戦いたがる。
珍しいし、これはフェンリルの血なのかな。
普段は大人しいけど、本来の血が騒ぐのかもだ。
「なんだ、違う女が出てきたが、また魔竜か!」
「魔竜!! まだいるの!!」
「魔竜ですって! 失礼です、私は魔竜じゃありません。形態を変えたらわかるでしょう」
モフルンを魔竜と間違えると、イラッとしていて、姿を獣化した。
体が巨大化して、フェンリルから本来の獣になった。
強烈な魔力が農地に現れる。
スイとは違う魔力で、獣らしい荒々しい魔力だった。
それと比べて、グラティアス、ミーシャ、フィーネルの魔力が霞んでしまう。
普通なら勇者パーティーの魔力は最強レベルにあるのだ。
冒険者ギルドに行くとわかるのは、他の冒険者がグラティアスの魔力で震えるのが常だった。
ミーシャの魔力も、人の域を超えているとさえ評価される。
国家最強の魔法使いと呼ばれるくらいだ。
フィーネルも同じだ。
なのに、この差は酷かった。
モフルンの前には勇者パーティーの三人の魔力を足しても足りないのでは?
それくらいに差があった。
「あああああああああ、おい、これはなんだ? 形態を獣に変えたぞ!」
「あ、あ、あの姿は、灰色の体毛に、尻尾。鋭い牙と爪。そしてそこしれぬ魔力、まさかフェンリル族?」
「フェンリルだと??」
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