『錬金164話 勇者視点 錬金術士ギルドに』
勇者視点です
ふふふふ、フランツは登録しているはず。
必ず登録して、どこかの錬金術士の募集した職場にいるだろうよ。
それも超低賃金の職場でな!!!
「グラティアス、お探しのフランツは残念ながら登録されていませんね」
「まさか、登録してないだと?」
俺は受付嬢に聞き返す。
登録してないとは、予想外だった。
仕事をするには登録するしかないはずだ。
登録してないなら、考えられるのは、生きるのをあきらめてしまい、ホームレスで路上生活しているとかか。
あはははは、遂に路上生活まで落ちたか!
俺のパーティーにいた時から、覇気のない奴ではあった。
「はい、登録されてません。王都で錬金術士として働いていないと思います」
結局のところ錬金術士ギルドではフランツの足どりはつかめなかった。
あの野郎はどこにいる?
錬金術士ギルドを離れて、
「フランツが登録されていないとなると、実家にでも帰ったかな、私はフランツの実家とか何も知らないけど」
「俺も知らないな」
「じゃあ分からないわね。タップには見つからないて言うか」
「タップのことだ、もっと探せと怒鳴るわよ、あれはすぐに怒鳴る。怒鳴るのが仕事だと思っている」
「俺が思うには、路上生活していると思うぜ、だから王都の路上生活の奴らに聞けばいいのさ! フランツていう最近まで勇者パーティーにいた奴が路上生活しているかとな。あはははは」
路上生活しているなら、同じ路上生活している人間に聞けば早い。
奴らは生きるのに自分の島がある。
新しい新入りが入るのは、ライバルが増えるので、新人が誰なのかは確実に把握している。
フランツめ、路上生活しているところを発見してやるぞ!
この俺様に大恥をかかせた罪を償いさせてやるよ。
俺が本気で怒るとどうなるかをな!
「フランツが路上生活するかしら?」
「簡単な話だぜ、路上生活しいる奴に聞けばわかる。奴らは新人は必ず全員知っているからな、王都の貧民街にでもいけばたくさんいるさ」
「げっ貧民街か、私は苦手なんだな。汚いし臭いし」
フィーネルは明らかに嫌な顔をした。
貧民がお好きでないようだ。
ミーシャも聞かなくてもわかる、嫌な顔をした。
俺も行きたくはないが、仕方ない。
我慢して行くとする。
我慢した分は、フランツを発見して爆笑してやろう。
人間が落ちるとこまで落ちると、どんな顔をしているかをな。
王都は貴族が住む貴族街、冒険者が住む中流階級街、商人が住む商人街、農民街などの下流階級街がある。
冒険者はギルドからの報酬がいいので、中流階級となる。
俺くらいまでくると、貴族や上流階級ではあるが、そんなのは一部の人間である。
そして下流の下にあるのが貧民階級だ。
路上生活や低賃金労働者の集まる区画があり貧民街と呼ばれる。
俺たちはその最下流の貧民街に向かった。
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