『錬金術163話 勇者視点 フランツを探す』
勇者視点です
「グラティアス、どうする?」
俺とミーシャとフィーネルはギルドを出ていた。
「ギルドマスターのタップからは、今すぐにフランツを探してこいてさ」
「探すしかない。タップの命令だしな。ただ俺はタップに命令されたから探すのではない。俺自身がフランツに言いたいことがあるからだ。パーティー追放した時に、俺に何かしらの細工をしたに違いない」
そう考えると都合いい。
あいつは俺が最大の得意である剣術を封じる手をうった。
きっと封じたのだ。
だから俺は剣術が使えないし、弱められた。
ムカつくな!
おかげで、俺はギルドマスターからは、たっぷりと説教されるし、Bランクパーティーからはバカにされたのだ。
全部あいつのせいだ。
「私とミーシャは何も異変はない。グラティアスだけ以前と違う。それがはっきりするてことね、フランツが見つかれば」
「そうさ!」
「ただ肝心のフランツがいまどこに居るかよ。パーティーを追放してからは、一度も会ってないし、何をしているか聞いてない。この王都に居るなら探しやすい。もし王都じゃないと困難になる」
「フランツが行きそうなところあるかしら。彼は錬金術士でしょ。王都にある錬金術士が働ける場所に行けばいい。鋼材を錬金したり、薬草を錬金したりしてるかもよ。実験とか私は嫌いですけど、気持ち悪いから」
ミーシャから錬金したりしてると。
そうかもな、他に行くとこなんてあいつにはない。
そもそも冒険者として外れスキルの錬金術士だ。
冒険者ギルドも追放されたのだし、冒険者はできない。
食っていくには、仕事するしかなくて、しなければ死ぬだけだ。
ざまあだな。
「王都の錬金術士ギルドに行く。フランツはもう冒険者ギルドを追放された身だ。依頼とか仕事をもらえない。金を稼ぐには仕事を得るしかないしな」
そこで俺たちは一番居そうな錬金術士に行った。
錬金術士ギルドとは冒険者ギルドと同じ仕組みだ。
登録しているのが冒険者で、魔物と討伐しに行くのを依頼するのが冒険者ギルド。
錬金術士に実験やら錬金させ、錬金したものに報酬を出す。
また錬金術士が働ける職場を紹介しているのが、錬金術士ギルドだ。
登録している者は、冒険者には適さないものが多い。
攻撃力や防御力が低いし、戦闘時に適した魔法も使えないのだ。
本当は冒険者ギルドに登録したいけど、能力的に足らない連中だ。
商人ギルド、農民ギルドなども同じ。
どれも冒険者ギルドに登録できない連中のいくところだ。
特に王都の冒険者ギルドマスターはタップで、使えない者は速攻で追放される。
フランツは正にその追放されたパターンだ。
錬金術士ギルドにつき、俺が受付嬢に、フランツについて相談した。
俺が勇者グラティアスであるのは伝えておくと、ギルドにいた者は振り向いた。
当然だろうな、王都の最強の冒険者であるのだから。
俺は最強の有名人だ。
緊張して、会話を止める錬金術士もいる。
怖がっている。
別に何もしないが、俺の圧倒的な強さと存在感を感じて、恐怖した。
あはははは、なんて意識の低い連中なのか。
これが俺と同じ人族といえるか。
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