『錬金160話 フェンリルの生徒が住人に』
『錬金160話 フェンリルの生徒が住人に』
「確かサラは、俺になにか言いたかったんだっけ?」
「はい、ドリアード族が住むなら、私も住人にしてください。フェンリルですから、きっと農村に役に立つと思いますので、どうかお願いします」
「ええっ、サラも農村の住人が希望なのかい?」
驚いたことに、ドリアードの二人を住人に向かい入れたばかりだが、今度はフェンリルのサラも住人になりたいと言ってきた。
俺は構わないし、逆に嬉しいけど。
サラはモフルンが農村に住むにあたって、影響を受けたのかもな。
「パタゴナ女王からも話したと思うけど、我々は覇者の剣を知っています。どこに神殿があるのかもです。モフルンも知っていますので、狙われる可能性もあるのです。そこで、私もモフルンの近くにいたいと思ったの。どうかな。フランツ村長が良ければですが」
「そうだったな、モフルンもフェンリルで覇者の剣がある神殿を知っている。いつ、誰に狙われるかはわからないわけだ。サラもいた方が相手も狙いにくいのはあるな」
モフルンを守るのなら、一人でも多い方がいいか。
サラもかなりの実力があると思われるしだ。
神殿は領地の付近にあるみたいだが、魔族や勇者に狙われる宝具である。
過去にも狙われる場面もあったと聞いた。
サラを住人に向かい入れるのもメリットがあるな。
それに農作業にも興味あるみたいだし。
「ご主人様、サラを認めてよ。彼女はこう見えても、同じガーター師匠の生徒。張り合いもある」
「フランツ様、住人は多い方が良くてよ。どんどん領地が開拓されます!」
「そうだな、サラ、よろしく。村長の俺が住人を認めるよ」
「ありがとうです」
嬉しいのか、飛び跳ねている。
尻尾はモフルンと同じ長さだった。
色も同じ灰色している。
「ちょっとフランツ村長。俺にもお願いしたいです」
「何かな、トラム」
サラと一緒に来ていたトラムだった。
トラムはフェンリル族の男であるので、モフルンよりも体格はいい。
筋肉もついた体だ。
「俺も住人になります。サラがなれるなら、俺だって住人になれるとおもう。足の速さならモフルンよりも上です!」
まさかのトラムも住人希望をしてきた。
サラと同じくガーターの生徒だ。
サラが住人になったからか、対抗意識を感じた。
足は速いとアピールする。
足が速いなら、何かと便利ではある。
近くの街に行く際に、モフルンでなくても、トラムが行ける場合もあるわけだ。
選択肢が広がり、街との交流なんかも、やりやすくなる。
「ご主人様、トラムは私と同じ生徒でした。あいつは性格はドジな面もありますし、決して優秀ではない、ですが役に立つかもです」
「おいおいモフルン、それじゃ俺が普段はまるっきりダメなフェンリルみたいだぞ!」
「あら、ガーター師匠がそう言ってたわよ」
「なああ! 師匠おおおお!!」
「決まりだな。俺は村長として、トラムを住人に認める」
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