『錬金142話 ドリアード族と話し合う』
「下に誰かいますね。あれはこの前会ったフェンリル族のモフルンでしょ」
「そうよ」
あ、やっぱり気づいたか。
下を見るとモフルン、パタゴナら、数では6匹はいて、見えるからな。
できたら、素通りしたかったが、隠すのも変だし。
見つかったら、その時に紹介したらいいと思った。
「モフルンはわかります。でも他にもフェンリル族がいます。あれは何かな、お友達ですか、とてもお友達には思えないのもいますよ」
「うん、お友達てわけじゃない。でも敵対心はないの」
「お母さん、フランツです。おれから紹介します。下に降りて欲しいです」
「フランツね、あなたが連れて来たのか。あなたの頼みなら下に行きましょう。何やら分けありみたいだし。それにフェンリル族が来たのを見逃すのはできません」
「ありがとうドリーン」
ドリーンは少し俺を疑う感じで見てきたけど、フェンリルだけに、そのまま放置はしたくないので、下に降りてくれた。
下に降りた。
パタゴナ、ガーターもじっと獣のままでいた。
降りて来たドリーンと視線を合わせた。
なんかヤバイかな?
お互いに見てますね。
獣がにらみ合うみたいな感じと言えばいいかな。
ほがらかな感じじゃないのは確かだ。
父親はゆっくり降りて来るのは、見た目は足が悪そうだ。
足を痛そうにしている。
さらに、後ろにはドリアード族の人が人型で降りてきた。
護衛だろうな。
母親は王女であるので、護衛がいて当然だ。
逆にパタゴナにもガーターがいる。
ガーターは、パタゴナを守るような位置で構えている。
「あらら、フェンリル族が大勢で山にきたのね」
「ご覧のとおり私はフェンリル族。族長をしているパタゴナだ。あなたは?」
「私は木の精霊ドリアード族は女王、ドリーンよ」
「精霊王のヘンプだ。リアの父親である。娘のリアから話は聞いた」
精霊王!
父親のヘンプで、精霊の王らしい。
王様てことだが、そうなると、リアは姫となるな。
対してパタゴナは、
「精霊の王!! こんなところで精霊王と精霊女王に会うとは。過去には、我々フェンリルとドリアードは、ケンカしたと聞く。仲が悪い時代があったと。今日はフランツ殿の家を作るための木材が目当てだ。戦いにきたのとは違う」
パタゴナは戦う気はないと意思表示した。
それでいい、俺も戦う気はないしな。
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