『錬金133話 フェンリルと食事』
ちょっと飲んだあとにリアは苦い顔をする。
やはり合わないかな?
酒に関しては、合う人と合わない人がいる。
俺も少ししか飲めはいからな。
「どうだい?」
「独特の味わい。なんか、お腹が熱いです。クセがあるけど、飲める!」
「そうだな。酒は熱く感じるな。スイも飲むかい?」
「はい、どれどれ、酒なんて飲むのは始めてだ。匂いは独特だな。本当に飲めるのかな……」
リアは飲めそうだった。
個人差はある。
スイもグイッと飲むと、
「あうっ、すごく口の中がシュワシュワする!!」
「ビールは炭酸がある。泡があって、シュワシュワするんだ」
「でも、飲んだらスッキリする。美味しいかも!」
けっこう飲める口かもな。
魔物だから、アルコールの強さは人と比べられるかどうか。
飲めるのがわかり、フェンリルの待つテーブルに運んでもらう。
「パタゴナ、これはビールよ、酒です」
「酒があるのか、ビール? 始めて飲むな。どれ飲んでみるかな」
「待ってパタゴナ。これは危険だ。腐った匂いする。本当に飲めるのだろうな?」
「私も飲みました、大丈夫ですし、でもガーターが言うように、腐った匂いはあるの。そしてシュワシュワした炭酸もある」
「炭酸だと? まずは俺が先に飲む。みんなは俺の後にしろ。パタゴナもいいよね」
ガーターは、ビールを飲むのに、みんなを待たせた。
自分が毒味をするみたいだ。
ガーターの言うのは、誰も反対しないところから、みんなガーターを信頼している。
ガーターはビールをスイから受け取ると、口に入れる。
ほんの少しだけ入れた。
一瞬、顔が歪んだ。
ビールの炭酸が弾けたからだろうな。
もしかしたら、吐き出すかな。
「…………」
「どうだ、ガーターよ」
「ビールと言ったな。イケるぞ。これはイケる、俺にもっとくれ!!!!」
「おおお、ガーターが認めるなら、私にも頂戴!」
「俺にもくれ、スイ!!」
ガーターの合図でいっせいに、みんなビールを飲んだ。
凄い勢いだった。
家の中はビールの影響もあって、盛り上がる。
良かった、盛り上がってくれて。
酒も好評だったし、料理も喜んでくれたのは俺としては成功だな。
下にある★★★★★から評価してもらえると嬉しいです(^^;




