『錬金131話 フェンリルと食事』
焼き肉の評判は絶好調であった。
フェンリル族は特に肉は好きだともフランツが話していたからな。
堪能してもらうのは嬉しい。
テーブルに出した焼き肉はあっという間にフェンリルの胃に消えた。
早い!
恐ろしいほどに早い。
まるで肉が足りてないぞ。
「フランツ、肉が足りてませんね!」
「うん、もう消えてしまった。そしたらご飯と野菜炒めも、食べてもらおうかな。肉は追加で焼くからさ」
「かわった。野菜炒めね!」
ご飯と野菜炒めもリアが並べた。
パタゴナは、肉ではないのかと困るも、食べてみてくれそうで、
「フランツ殿、野菜とコメ料理かな?」
「そうです。野菜はキャベツを炒めたもの。そしてコメです。どうぞ」
果たして食べてくれるかだ。
肉とは違うからな。
口に合わない可能性もある。
贅沢な口をしていたら、合わないだろ。
「これも、おいしい料理よ! キャベツなんて緑の草としか思ってなかったから、その上、コメと一緒に食べると、また美味い! コメはなぜ柔らかいのだ?」
「普通のコメは硬いですけど、水で炊いたら、美味しくふっくらします。甘みも出るのです」
パタゴナは、コメの柔らかさに驚いていた。
「我々は自然の中で生きてきたからな。食べるのは、生肉や生の物が中心だ。人族は調理をして火を使うだろう。獣人族などに人族とともに生活してるなら、食べるだろうが、我々は人族とはいっさい会わずに生活する。そのため生食が中心だったのだ」
なるほどね、人族と絶対に関わらないなら、俺の調理したのは、初めて食べることになる。
でも美味しくものは、共通して美味しいと伝わりホッとした。
ガーターもパタゴナに続き、
「いいぞ、キャベツなど初めて食ったな。そしてコメが美味い。肉と一緒に食べたいぞ!!!!!!!」
「本当だ!」
「オイラもコメ好きになったぞ!」
ガーターが叫ぶと、生徒も笑顔が止まらない。
評判は良かったコメなら、たくさんあるし、いくらでも食べて欲しい。
農地で取れたコメは、味はすごくいい。
「このコメとキャベツはご主人様が農地で作ったの」
「なんとあの農地で! 錬金術士てのは、農民の才能があるのだな。錬金術士と言えば、怪しい実験している連中だと思っていたので、考えを変えなくてはな」
「ご主人様の錬金術は、料理の道具も作るし、農地も作ったし、家も作ったのですよ」
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