『錬金124話 宝具は売れない』
「まるで生きているみたいだな剣が」
「私の血も吸われちゃう!」
「大丈夫だよ、竜の血は吸わないよ」
「どうして、わからないですよ!」
魔竜の血を吸ったらどうなるかな。
あまり考えたくないけど、覇者の剣が暴走するのは確実だ。
それも暴走の度合いが大きいかもだ。
手におえないくらいに暴走もあり得る。
それはリアにも言える。
危ないから、スイとリアは切って血を吸わせないのがいい。
「覇者の剣は、持ち主を狂わせるのです。人族が持ち主になれば人族を狂わせる。そして狂った覇者の剣を静かにさせる方法は、我々の生き血を吸うことなの。そう言う風に神が作った。だかれ我々は神に使える魔物フェンリルと呼ばれた。神殿に置いたのは、狂わせないためよ」
狂ったアイテムを作る神も困ったものだな。
なんでそんなの創ったのだ。
宝具どころか、呪いのアイテムじゃないか。
なるべく触れない方がいい。
誰も触れないのがベストだ。
触れたら、必ず誰かが不幸になる。
良いことないし、俺は触れないぞ。
「お母さん。それでも、それでも、私はこの領地に残りたい! どうしても残りたいの! お願い!」
「ダメよ、モフルン。これはフェンリル族だけの問題じゃない。世界を変えてしまう話になる」
「お母さん!!」
「モフルン、大丈夫よ。私がお母さんに言う」
リアがモフルンを抱きしめ、母親に向かって言った。
「放しなさい」
「いいえ、放しません。まだお母さんは私の質問に答えてません。私は質問しました、さっき、それはお母さんの所よりもここは安全なら、モフルンはここにいてもいいのですよね? そう私は聞いたの。それはこの領地は、魔族が来ても大丈夫だからですのよ」
「何を言ってるのかな。フェンリル族の族長である私よりも、ここが安全と言いたいの? 笑わせないでちょうだい。小娘一人で何かできるのかしら?」
パタゴナはリアに言われて、おかしくなり笑った。
リアが普通のそこらにいる女の子と思ったからだ。
パタゴナの間違いは、リアがまだ精霊だと知らない点。
見た目は普通の女の子だ。
きっと農地で働く女の子くらいにしか思っていない。
でも正体はリアから話すだろうね。
「お母さん、私のことをまだ知りませんか?」
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