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『錬金121話 フェンリルの神殿』


「かなりヤバイアイテムよね。私には関係なかった。山にこもっていたからね」


「リアは魔族が来ても山に逃げるのダメだぞ」


「ええっ、山に帰らさせてもらいます」


「スイ、リアを逃げないように」


「はい」


「スイ、離せ、離せ!!」


 お互いに支配する、されるとなったら、必死にもなる。

 種族の生き死にがかかっているのだ。

 俺はギルドに追放された身だ。

 これだけは言いたいのは、そんなは責任は取らないし、背負わないからな。


 迷宮なみの谷があり、神殿に行けないのだ。

 魔族も人族も。

 それなら放置していていいのではないかな?


 神殿に置いてあるのを取られちゃうのなら、大変だ。

 でも迷宮の谷がありたどり着くのは無理だとなれば、そのまま迷宮で死なせておけばいいとも考えられる。


 そしたらモフルンは急いで連れ戻すとか必要ないと思うな。

 別に俺の領地に居ていいよね。

 疑問だよね。


「俺は疑問がある」


「何かな、もしかして私の年齢とか? 私の趣味とか?」


「お母さん!!」


「ごめん。怒らないで」


 娘に説教されていた。


「疑問は、宝具は神殿にある。その神殿は迷宮の谷があり守られている。魔族も人族も行ったら、ほぼ迷宮で死ぬわけだ。帰ってこれないわけで」


「そうよ」


「それなら魔族と人族に好きにさせておけばいいのに。別にモフルンを連れ戻すとかしなくていいと思うよ」


「なるほど、そうよね、勝手に神殿の迷宮に行かせて、勝手に死なせばいいもん。死ね死ね!」


 リアは意外と過激なのだな。


「モフルンはこのままフランツ様の領地に居ていいのよ。どんどん死なせたらいいわ!」


「お母さん、みんな言ってる通り、領地にいていいよね」


「いいえ、それだから危険なの」


「どうしてよ!」


 逆に危険てことか。

 意味がわからないな。

 どうして危険なのかが。

 大丈夫だと思うけど、他に気づかない理由があるのか。


「魔族も人族も、娘を人質にする」


「えっ、モフルンを人質に!」


「つまりは、モフルンを狙う。そしてフェンリル族に、宝具を取らせると」


 そうか、フェンリル族の誰かを人質にして、脅すという古典的なやり方あるのか。

 そのてんは気づかないでいた。

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