『錬金115話 フェンリル族が来る』
『錬金115話 フェンリル族が来る』
「フェンリル族なら仲間でしょ、モフルン、リアを仲間に紹介してよ」
「私もよ」
リアとスイが自己紹介的な感じで言うも、モフルンはそんな感じじゃない。
何かに怯えている風に思える。
モフルンよりも先にフェンリルの一匹が話しかけてきて、
「あなたは誰です。人族ですね?」
「俺はこの領地の主、フランツです。錬金術士してます。よろしく」
聞いてきたから、挨拶はして、よろしくも言った。
最初の第一印象て大事て言うからな。
なるべく明るく挨拶をしてみた。
「フランツ。なぜ人族がここに居るのか、知りませんね。まあいいでしょう。農作業をしているのですか、こんな辺境の地で農作業する意味あるのかと思いますけど。農作業するのは認めましょう、ただ娘のモフルンを奪い去ったのはいただけませんね、フランツ、私を怒らせる前にモフルンを返してもらいますよ」
娘?
いま、娘て言ったな。
俺の耳には確実に聞えたぞ。
母親なのか。
それにしては、敵意があるな。
「娘??」
「えっと、娘なの?」
「モフルンのお母さん?」
「モフルンの母親。パタゴナといいます」
母親でしたか。
リアといい、やはらと母親が続くな。
それでいて俺が連れ去ったみたいになるので、困るんだな。
誘拐流行っているみたいだ。
「待って、パタゴナさん。俺は娘のモフルンを奪い去ったわけじゃなくて、モフルンが好きで住んでいます。嘘だと思うなら聞いてみなよ」
「母さん、フランツは嘘を言ってません。私はフランツの領地に好きで住んでいますのよ。ここには美味しいものもあるし、仲間のスイとリアがいる。母さんが帰れと言っても私は残る」
モフルンははっきりと母親に言った。
俺の方を取ったのは嬉しいけども、取られたと思っている母親は怒るよな。
態度が少しばかり怒りにならなければいい。
「料理? 何を言っているの。美味しい肉なら、そこらにいる魔物の肉を生で食えばいいのに。今までもご飯はそうしていたでしょう。獣の肉は、あなたの好きな肉だったでしょ。生肉を」
「母さんと食べた生肉は好きよ、それはそれで美味しい。でもね、ご主人様であるフランツの料理の肉は焼いてあるのよ」
「焼いた肉か……確かに美味いとは聞いた。人族や魔族でも焼き肉にすると聞いた。それはいいのよ、肉よりも大切なことがあるの。だから迎えにきた。帰ってこないから!」
「焼くのがいいの!」
「生です、生ですよ肉は!!!」
誤字の報告ありがとうです(^^;




