『錬金011話 グラティアス視点』
『錬金011話 勇者グラティアス視点』
平原にいるのは巨体の魔物だ。
4本足で体には羽根もある。
獣の形をしたのがベヒーモスだ。
ベヒーモスと戦ったパーティーは全滅すると伝説では聞いていたから、普通は発見したら、直ぐにギルドに知らされる。
それがこんな王都近くにいたなんて、いつから居たのか?
まあ今は細かいことはいいか、早く倒さないと王都が危ない。
俺は剣を構える。
「来るぞ!!!」
ドガアアアアアアアア!
ドガアアアアアアアア!
ベヒーモスが突進してくるのを、いち早く避ける。
大地が揺れるので、地震が来たかのようだ!
踏まれたら即死だな!
「勇者の剣を受けてみよベヒーモス! 烈火聖剣!!」
ベヒーモスの胴体部分に剣を切りつける!!
ザギイイイイイイイイン!
俺の剣が当たる!
ふふふふふふ、ベヒーモスよ、最強の勇者の剣を受けた後ですが!
痛いだろ、痛いだろ、そりゃそうだよな、勇者の剣は最強の剣だからな。
当たり前のように一撃で激痛が走るのだ!
「な、なぜだ? ベヒーモスは平然としているぞ!! 俺の剣で切られても、平然としている!!」
「どうした、グラティアス、ちゃんと切れてないよ!」
そんなはずはない!
俺は確実に切ったし、手応えもあったのだ!
なにかがおかしいな。
「それじゃ私の魔法を使うわ」
「ミーシャ頼むぞ」
「ベヒーモスよ、私の氷魔法をどうぞ、氷弾!!」
ダッアアアアアアアアア!
ダッアアアアアアアアア!
ミーシャは魔法使いであり、攻撃魔法にも優れているのである。
氷の弾が撃たれた。
ベヒーモスに当たる!!
ギャアアアアアアアアアアアア!
ベヒーモスの鳴き声だった。
おかしいな、ミーシャの魔法は効いているぞ。
なぜ俺の剣は効かないのか?
「さすがミーシャ、ナイス!!」
「いいわよ、グラティアスもお願いよ!!」
「任せろ、俺が切ればベヒーモスは苦しくなる! 烈火聖剣!!!!!」
再び烈火聖剣で切りに行くと、手応えありだ!
大丈夫、今度こそベヒーモスは悲鳴をあげるさ。
勇者である俺の剣を2度も受けたのだからな。
下にある★★★★★から評価してもらえると嬉しいです(^^;