『錬金107話 家に風呂を』
『錬金107話 家に風呂を』
水を温め初めて直後だった。
モフルンが水に手を入れたところ、
「ご主人様、熱い!! とても熱いです!!」
「ええっ、熱い、熱いはずないさ。まだ火をつけたばかりだ。冷たいはずだよ!」
あり得ないよな。
モフルンは熱いと言った。
お湯に手をいれた途端だった。
まさか、もう熱湯になったとか?
「本当です、熱い!! 熱くてよ、フランツも湯に手を入れたらわかる」
そんなバカな。
でも待てよ、良く見ると水からは湯気が立っているな。
冷水には湯気はないからな。
俺も手を入れてみよう。
そっと水面に手を入れた。
「あっ、熱い!!」
熱い!
モフルンが言うように熱い。
なぜだかわからないけど、もうお湯に体が入れる温度だ。
嘘みたいな結果に驚いた。
「熱いでしょ、わたし行ったとおり」
「うん、熱いよ。なぜかな、あり得ないんだよな。普通は火をつけても、一時間くらいは掛かるもの。それが一瞬でお湯になった。どうしたのだろう?」
「フランツ様の錬金術の効果と違いますか。錬金術で作った農地は一日で作物が作れる。錬金術士のミスリル製のフライパンは、圧倒的に美味しくなる。同じように、底にミスリルの鋼材を置いたのでしょ、そのミスリルが影響して、一瞬でお湯になったと考えたら説明できる」
なるほど、ミスリルの鋼材板を置いた。
それが影響したとしたら、一瞬でお湯になるのか。
そこまで思いつかなかったけど、俺の錬金術が、良い方向に影響したとしたら、大成功だよね。
よし、準備はいい、お風呂に入ろう!
風呂場は家の中でも独立した部屋に作った。
女の子もいるから、そこは気を使った。
着替える必要があるのでね。
「もうお風呂に入れるよ。みんなスイやリアから入っていいぞ。俺は後でもいいから」
「いいえ、お風呂を作ったのはフランツ様ですから、最初はフランツ様が入るべきです。私達はその後でいいですし」
「いいのかな、それじゃ、遠慮なく入ろうかな」
「どうぞ」
スイやリアから先にどうぞと進められるまま、サイ俺が入ると決まった。
別に後でも良かったけど、スイがそう言うので。
スイ達は風呂場から去ったので、俺は服を脱いだ。
一番に入ると気持ちいい!
「おお、いい湯だな! 自分の錬金術で作った風呂は、違う気分です!」
いい湯に浸り、気持ちいい気分でした。




