『錬金1059話 魔王と元魔王が会う』
『錬金1059話 魔王と元魔王が会う』
カナジョがカエンに言った。
ケンカを売られたみたいな感じだ。
言われたカエンは怒りがこみあげていた。
「私はカエンです。知らない教えてあげます」
「カエン? カナジョ聞いたことない」
カエンを知らないのはカナジョ。
でも元魔王ミラーも気づいていない。
それは姿が違うからだろう。
俺と会う前のカエンはファイアドラゴンの竜形態だった。
それに名前もカエンではない。
「カナジョはどうでもいい。私が許せないのはカナジョでない」
「あああ~カナジョをバカにした!」
「黙れ裏切りカナジョ」
「ストラマーベル様の裏切り女」
「うるさい、魔将娘、いつもストラマーベルとベッタリしやがって!」
「いいでしょ、我ら魔将娘はストラマーベル様に忠誠しているのです。カナジョとタイセイは裏切り者。許せません」
ストラマーベルの魔王の部屋ではお互いに文句の言い合いが勃発した。
元魔王ミラーとストラマーベルは牢獄に入れた因縁。
ゲートにはストラマーベルから魔都を追い出された因縁。
カナジョとタイセイは魔将娘を裏切り者という因縁。
俺とゲートは何度も戦い、牢獄に入れられた因縁。
そしてカエンはミラーとはコメのことでの因縁。
それらが部屋でぶつかり合っている感じだ。
やばい空気ですね。
もうバチバチの空気に。
いつ戦いが始まってもいい。
しかも魔族でも魔王が二人もいるので、空気の重さがハンパないです。
「ビビ、うるさ~~~い」
「相変わらずうるさいなビビは」
「なによ、魔将娘には入れないカナジョ」
「入る気ない!」
そこでカエンが、
「ミラー、私を見ても思い出せない?」
「カエンていうのよね、知らないわ」
「あなたが知らなくても私は許せません。反コメ同盟のミラーがね」
「あら、カエンは私が反コメ同盟の会長だとわかっているの。それは嬉しいわね。その通りです、私が反コメ同盟、世界のコメ農地を絶滅させるのが目的の会長です。そしてこの魔都のコメ農地も燃えてしまった」
「なぜやるの、コメ農地には責任はないでしょ」
「あるわよ、コメは最悪の食べ物ですから。魔族にとって最悪、滅ぼすのが重要なのです」
ミラーはカエンに言われて説明するも、とんでもない理屈だった。
恐ろしい理論だな。




