『錬金1053話 町に手紙が来る』
『錬金1053話 町に手紙が来る』
「フランツ様、カエンが行くのは認めるの?」
「危険はあるわよ」
「魔王ですからね相手は。それとゲートか」
「俺がたとえダメと言っても、カエンは行くのだろう、きっと止められないのだろ」
俺はストラマーベルは行くのは賛成する。
問題はカエンだが、俺が反対してもカエンは行くだろう。
カエンの怒りを止める方法はないと思う。
食い物の恨みは怖いっていうからな。
「はい、行きます」
「やっぱり」
「そういうと思った。カエンなら」
「ご主人様も納得ね、それじゃあカエンは行くのが決まりね」
「よ~~~し、まってろ~~ミラー」
これでカエンも町から魔都に向かうと決まる。
誰も反対はいない。
むしろカエンを応援する。
でもカエンだけ行かすのは俺は嫌だった。
「カエンを応援しよう!」
「反コメ同盟なんてぶっ潰せ!」
「魔都ごとファイアブレスで火の海にしろ~~~」
「待ってくれ。魔都は燃やすな。俺の城だ」
「魔都以外を燃やせ!」
「どこだかわからないけど」
スイやリアはカエンを応援する。
俺は違った。
カエンだけを行かせるのは断わる。
「待って、カエンとストラマーベル。俺も行くとしよう」
「えええ~町長も?」
「コメ神様は関係ないんです。これはコメ農地の問題です。来る必要ない」
カエンは俺の発言を否定する。
俺はコメ農地の問題とは関係ないというのが理由だ。
「いいや、俺は関係あるよ。コメは町にとっても大事な農産物だ。今はまだ町で食べているのが多いけどさ、今後はもっと他の町にも販売する。だからコメ農地をなくそうとするミラーは、俺にとっても困る存在。放置はしたくない」
「ご主人様の気持ちわかります。農地を作ったからわかるのですね」
「フランツ様が行くのは止めません。コメ農地を守ってください」
「ふふふ、町長が来るとは思わなかった。でも町長がいるならミラーは好きにはできないさ」
「コメ神様です、やっぱりコメ神様です!」
「やれやれ、その神様てのはやめて欲しいのだが」
相変わらず俺を神様と呼ぶので照れてしまう。
ストラマーベルとカエンは俺の参加を受け入れてくれた。
これでまた魔都に行くようだな。
まさか、また行くとは。
あそこは、魔族と魔物の巣窟だからな。




