『錬金1036話 魔人ゲート視点 魔都の牢獄』
『錬金1036話 魔人ゲート視点 魔都の牢獄』
「だから言ったろ、静かに話せって」
「すまん」
「本気か、魔都のコメ農地を燃やすのは? どうでもいいだろう。逃げる方が先だろう」
「どうでも良くない! 私にとってコメは天敵だ。人族を滅ぼすならまずはコメを滅ぼす。これが反コメ同盟の規則だ」
「だからといって、人族の農地を燃やすのはわかる。魔都のは関係なくない?」
「そうだよ、人族のではない。むしろ魔都の農地が減るのは人族が喜ぶ。食料が減るのだから」
「意味がない。燃やすのは意味がないさ」
当然だよな。
人族を有利にするだけだ。
意味がないと思う。
でもミラーは違うような。
この女は狂っているところがある。
「ある! たとえ魔族のコメ農地でもコメはコメだ。完全に破滅させるのだ!」
「だめだ、狂っているな」
「だから、乱女魔王なのか、やっと理解した」
狂っている。
「どうします、、ミラーがいないと牢獄から脱出はしても魔王軍につかまりまた戻るよう。かといってミラーの目的に乗って農地を燃やすのは、燃やしている間に魔王軍に見つかりますよね。見つかったらどうなるのですか」
「わからん。俺もどうなるか、わからない」
「魔王軍など、私が全部倒してやるわ。怖くはない牢獄に入った時は油断したのだ。今回は油断しない」
「燃やして、その後は」
「油断しない。私が魔都を支配する。ストラマーベルが後から来るなら来いて感じ。いつでもお相手してあげますわ」
「自信あるのだな。ストラマーベルに勝てると自信ある言い方だ」
「あるわよ」
ミラーを利用するのはありだな。
このままだと永久に牢獄は確定だ。
ストラマーベルが生きている限りにおいて、二度と魔都から俺とカナジョとタイセイは出ることはない。
それならミラーを利用してみるのもいい。
あくまで俺はミラーの配下になる振りをする。
ミラーをリーダーにしておき、牢獄から出て魔都を支配させる。
ストラマーベルは驚くだろうな。
ミラーとストラマーベルが戦うのもあり得る。
「ミラー、協力して欲しい。ミラーの考えでいい。魔都のコメ農地を燃やす。そして魔都も支配するのを俺も協力する」
「ふふふふふ、面白いです。やりましょう。さあゲート、牢獄から出してください」




