『錬金1031話 魔人ゲート視点 魔都の牢獄』
『錬金1031話 魔人ゲート視点 魔都の牢獄』
俺を呼んでいるので、答えてやる。
「ゲートだ。俺を呼んだか?」
「呼んださ、私と話をしないかい、私も長く牢獄に居るんでね、話し相手が欲しいのさ」
「いいだろう。俺も退屈している。それで誰かな、人族の女冒険者か?」
牢獄にいる女とあっては、おそらくは人族と思った。
ストラマーベルと戦ったかだろうと予想する。
「冒険者、あはははは。笑えるな、私が冒険者とはな」
「違うのか、じゃあ竜人族か?」
「竜人族か、違うな、魔像だよ。私を知らないとは言わせないぞ。私は乱女魔王ミラー。これでも知らないかい?」
「ミラー!」
ミラーと言った!
ミラーとは魔王ではないか。
知らないわけない。
俺は驚きだった。
「ミラー、まさか女魔王ですよね。北の大陸にいた。そのミラーが牢獄にいたなんてゲート様は知ってましたか」
「ストラマーベルめ、ここに入れていたか、確かミラーはストラマーベルといがみ合いになったと聞いた。それは聞いていたが、まさかここに入っていたとはな」
「ふふふ、名前は知っていたのだな。それならいい」
「でも、確か、俺の聞いた話では、とんでもないブサイクな女と聞きましたが」
タイセイがブサイクと言った。
俺は知らんぞ。
性格は気性が荒いとは聞いた。
しかしまた目は知らないのだ。
俺は会っていなかったからだ。
「ブサイクだあああああ! 誰だああああ、そんなデタラメ言っている奴は許せんぞ!」
近くの牢獄にいるのだろう。
近くから声が聞こえるも、怒っている声。
見た目をブサイクと言われたら、そりゃ怒る。
でもタイセイは言った。
まあ、怒らせても、牢獄にいるので、何もしてこないというのがあるから。
どんなに怒らせても平気だ。
「聞いた話だ。俺が魔都の魔族から聞いたんだ。ブサイクだと。性格もブサイクだと」
タイセイが答えた。
性格まで言った。
そこまで言う必要もないが、タイセイははっきり言ってしまう。
「キサマああああああ〜〜〜、見た目も性格もブサイクたど! 良いところないじゃないかああああああ〜〜〜乱女魔王のミラー様だぞ!!」
ミラーは牢獄内で怒鳴った。
怒鳴った声が牢獄に響いた。
「こらーーミラー、静かにしないか。うるさいぞ」
「私に指図するな!」
「うう」
警備の魔族がミラーを注意したものの、逆に言い返されていた。




