『錬金103話 リアと婚約』
『錬金103話 リアと婚約』
「国を作る。平和な国を。凄いです。フランツの考えは。国を作ったら、フランツは国王でしょ、私は王妃になる」
えっ、確かにそうなるな。
俺はそこまで考えていなかった。
リアを王妃にするか、悪くはないが、まだ先の話だろうけど。
「あの〜、私も王妃になりたいかな。フランツ様の嫁に、どう?」
「えええっ、ちょっとスイ。スイも俺と婚約したいのかい。普通は婚約者ってのは一人だろうからな。困ったな」
いきなりスイが婚約者にと自分をすすめてきて困る。
俺の経験では婚約したことないのだ。
それがいきなり一日で二人も婚約したいとか、慣れていないから。
「別に決まりはないと思う。婚約者が一人しかできないとか。フランツ様が決めたらいいのよ」
決めたらいい?
俺が決めるのか、ちょっと意味がわからないな。
国には法律がある。
日本にも法律があった。
どこの国にも法律があり、国民はその法律にのっとり生活していて、法律に守られもいる。
「俺が決めるとは?」
「もし、どこかの国に属するなら婚約者はひとりかも。でもね、今はフランツ様の領地は、ターバンド国に属している。ターバンド国の法律に属するわけね。フランツ様がターバンド国から将来的に独立して国を作れば、法律はフランツ様が作ればいい。何人でも婚約できるとね!」
まさか!
そんな抜け道あったか!
俺は気づかなかったけど、確かにスイに言われて、不可能でないと思った。
今の話からスイは完全に俺と婚約する気に聞えたぞ。
本気なのかな。
国を作ると、法律もオレが作れるのかもな。
まあ、あまりやり過ぎた法律は、国民から嫌われるだろうけどね。
リアとスイと結婚するのは嫌ではないのは確かだ。
「スイ、凄い考えだな。確かに国を作れば、法律は作れるものな。俺が国王になり、嫁は何人でも作れるとしたら問題ないわけか」
「そうです!」
「あら、スイと私はライバルね」
「お待ちを二人とも。勝手にご主人様と婚約者とか決めるのは、お待ちなさい」
リアとスイで話が盛り上がると、モフルンが止めにきた。
さすがにフェンリル族だ。
婚約者とか浮かれているのを止めに入ったのだろう。
そこらへんは、誰にも近寄らない、誰にもなつかない、人狼のモフルンならではだ。
「わ、わ、私も婚約者に立候補する!」




