『錬金1017話 タップ視点 ヤニス国王に報告』
『錬金1017話 タップ視点 ヤニス国王に報告』
「ルーリンの混浴風呂の件はもういい。フランツの町が観光を呼んでいるのもわかった。隠すための偽装もある。つまりは私に戦力を増強しているのを隠すために、表向きには町を観光業をしている風にしているとも考えられる。観光客は町に良いイメージができる。誰も怪しまなくなる」
「それはあり得ます。さすが国王様です。軍師の私も同意します」
「あと、まだ重大な報告があります。もう一つだけ」
やっぱり迷宮とかも言うべきだよな。
「まだルーリンの、どこをみたのだ」
「軍師!」
ルーリンは軍師に怒る。
「ルーリンの件ではありません。別件です軍師。実は町の見学はさらに続きました。最悪の荒れ地であるはずなのに牧草地がありました。牛を飼っていて、牛肉を食べているそうです」
「牧草地も!」
「うううう、コメやコムギが収穫できるなら、草も生えるのか。草があれば牛を飼うのは不可能ではないか」
「食料自給率をあげる作戦だろう。コメやコムギと牛肉や牛乳などがあれば、食料は確保できる。つまりは我が軍と全面戦争もできる。その準備ではないか」
「それですと、恐ろしいです。騎士団の軍備を増強も考えないといけません。フランツの町の農地を減らす必要もありますね」
「調査がいるな」
「まだあります。私も信じられないものでした。我が国の将来にもかかわる物がありました。騎士団の調査にもなかったものです」
ルーリンが言うのは迷宮だな。
信じられないが魔幻迷宮だったなら、世界が震撼するぞ。
「なんだいルーリン、言いなさい」
「はい、国王様は私の言うことを信じてください」
「信じよう」
「町の見学をした最後には衝撃を受けました。魔王に案内されたのは、ダンジョンでした。辺境の領地内に大きな入口がある。ダンジョンだと言う」
「ダンジョンか。辺境の領地にはダンジョンマップはあったのかい」
「いいえ、ダンジョンマップはターバンド国の領土内のダンジョンを調査したマップ。そこには辺境の領地にダンジョンはありません。確認してます」
「つまりは国が未調査のダンジョンがあり、見学したのだな」
「はい、魔王やフランツからはこれは魔幻迷宮と聞きました」
「ま、魔幻迷宮??」
国王は固まる。
止まってしまった。




