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『錬金1015話 タップ視点 ヤニス国王に報告』

『錬金1015話 タップ視点 ヤニス国王に報告』


 あちゃ~~~~~。

 ルーリン、それ言っちゃう!

 それは黙っておくべきだった。

 完全に観光でしょうが。

 まさか俺が入ったことは言うなよ。

 ルーリンだけにしてくれよ。

 

「入浴しましただって~~~~、何をしているうううううう! それでも国を代表する軍、騎士団団長かああ~~~、適地には入って観光気分とはなにをしているのだあああああ!」


「すみません。不注意でした。騎士団団長としていけない行動でした。謝ります」


 ルーリンは軍師に説教される。

 さすがに団長としては最低の行動だろうな。

 不注意ではすまなかった。

 最悪ルーリンはクビだな。

 本人も反省した顔だし。

 俺はルーリンが黙っていれば問題ない。

 言うなよな、と俺はルーリンに目で合図する。

 わかるよな、大人の事情だよ。


「謝って済むか。団長ならば破壊するだろう!」


「まあ、フランツに脅されたのか。脅されたなら、逆にフランツが外道だ。最低の錬金術士となる。騎士団に恥をかかせようとしたとも言える。それならば許せる」


「入浴したのは私のミスです、でも私のミスは認めますが、私だけ入浴したのではないです。それは言っておきます」


 あああ~~ルーリン!

 まさか俺の名前は言うなよ~~~。

 言ってら俺は終わる!

 ギルトマスターとして終わるぞ~~~。


「ルーリンだけではない。意味がわかりかねる。他に入浴したのがいると」


「はい、います」


「誰だ」


「軍師の目の前にいますけど」


 あちゃ~~~~~~!

 軍師が俺を見てます。

 俺の顔をじっと見てますね。

 何か言いそうです。


「タップ」


「はい、軍師」


「タップ、お前は王都冒険者ギルドマスターだな?」


「はい、ギルドマスターです」


「入浴したのかい?」


 軍師は笑顔です。

 やけに優しい顔です。

 逆にその笑顔が怖いですね。


「入浴しました」


「入浴しましたじゃないだろおおおおおおおおおおおおお。お前は現在最大の国の問題の敵地に行き、大浴場に入浴したのだぞ。遊んでいるのか!」


「遊んではいません、ただフランツの仲間からは、気持ちいいからとすすめられてですね、そのまま入浴しました」


 やはり怒鳴られました。

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