『錬金1014話 タップ視点 ヤニス国王に報告』
『錬金1014話 タップ視点 ヤニス国王に報告』
「農地を見た、次に闘技場がありました。そこはフェンリル族がいて、戦闘の訓練をしているようでしたが、訓練を受けるのがフェンリル族だけでなくて魔王ストラマーベルも受けていると聞きました」
「闘技場! 魔王も訓練を!」
「もっと強くなる訓練だろ。やっぱり王都に攻めて来る気だ!」
「攻める気満々じゃないか!」
「さあ、そこはわかりませんでした」
知らんよ!
俺は見たくもないのに、強制的に見学させられたんだ。
奴らが何を考えているかなんて知らん。
「フランツは錬金術で作ったといいました」
「またも錬金術でか。やはり最警戒地域に指定だ」
「騎士団全軍を送るようだぞ、ルーリン」
「えええ~全軍ですか!」
「緊急にだ!」
軍師も慌ててフランツの町に攻め入ると言い出す。
ルーリンは命令には逆らえないから、戸惑うよ。
軍師は人の使いが荒いぜ。
「待ってください。まだ続きがあります。その後に大浴場を見学しました」
これは見学っていうか入浴だよな。
敵地で入浴をしたのを、どういうか。
下手すると、ギルトマスターをクビになりかねない。
「大浴場??」
「なにそれ? 観光でもしに行ったのか。もう観光だろ」
「まあ、観光と言われたら、否定はできません」
こうなるよな。
そりゃ言われるぞ。
「何を考えているのだ。辺境の領地に飛ばされてだ、最も危険に指定しているフランツの町の大浴場を見学とは、あきれる」
「実はフランツの町は観光客を呼ぶのに力を入れていて、観光客向けに作ったようでした。俺が見学したと時は観光客は見ませんでしたが」
「観光客だと! フランツは観光客を呼んでお金を稼ぐ気か。商人でもはじめるのか」
「たぶん、町を発展させて楽しんでもらいたいそうです」
あああ~~だから、こうなると思ったんだよな。
俺はギルトマスター失格かああ~~~。
「楽しむってなんだ。我が国を滅ぼすのだろ。なぜ楽しませるのだ」
「俺にはわかりません」
「ルーリンはどうなんだ、大浴場を見学したのだろ。不審な点はなかったか?」
「不審ですか、ていうか私は、大浴場に入浴しました。温泉ではなくファイアドラゴンが水を熱湯にしてました。錬金術で窯を作ったそうで、体にいいらしいです」




