『錬金001話 追放』
「フランツ、お前を今日で冒険者ギルドから追放する!」
「ちょっと待てよ。なぜ俺が追放なのか。俺は勇者パーティーにも、冒険者ギルドにも貢献してきた。酷いな追放は」
たった今、追放されたのが俺、フランツだ。
言ってきたのは、冒険者ギルドで、ギルドマスターと呼ばれる、まあ冒険者のパーティーを統括する組織のトップだ。
つまりは冒険者はみんなギルドマスターに信頼されて仕事ができるわけだ。
名前はタップといい、38才だ。
昔は冒険者をしていたが、現在はマスターという偉い立場となったわけで、使えない冒険者は追放できる。
だからみんなタップには逆らわないらしい。
逆らうと街を出て行かないといけなくなるからだ。
俺はみんなのために頑張ってきたのに、なぜかな?
ようは、タップに嫌われたら終わりってわけで、俺は完全にクビになったわけだ。
まさかの無職だな。
「うちのギルドは実力主義なんだよ。ソロ冒険者でも、パーティーにいても役に立たない奴は要らないんだ。冒険者は辞めて、商人や農民をやれ。それがフランツには似合ってるよ」
「俺は農民をするつもりはないが、本当に俺をクビにしていいのか?」
俺が役に立たないというのが追放の理由らしい。
困ったことに、俺は役立たずらしいとのこと、残念です。
いや後悔しかなくなると断言していいのは、俺が役に立たないのでなく、魔物のことなんだよな。
まいったな、俺の魔物に気づいている人は、誰かいないかな。
俺は追放されるまでは勇者パーティーに所属していて、Sランクパーティーとして有名であり、入れるなら誰でもが入りたい、そんなパーティーだ。
入れた時は、マジで嬉しかったな。
勇者の名前はグラティアスだ。
知らない人はいない英雄的な人物となった、そのグラティアスが俺の所に来て、
「フランツよ、お前はダンジョンに行っても森に行ってもさ、役に立たないんだよ。いつも雑用してたり荷物持ちだろ。職種は錬金術士だっていうから、少しは役に立つかなって。例えば魔物を倒したら、いつもより多く金が取れたり、レアなアイテムを錬金したり。だけどフランツは1回もなかった。本当に残念だよ、がっかりしたよ。だからさ、ギルドマスターにお前を追放したことを言ったわけ。そしたらまさかさ、ギルドマスターまで追放するとはな、あはははははははははははははははは!!」
何がおかしいのか、勇者のグラティアスは笑い出して、腹を抱えると、ギルドマスターまで笑っていた。
そんなに俺が錬金術士でアイテムを錬金できないのがおかしいのか?
アイテムなどよりも、もっと重要なことを俺は勇者パーティー全体にしていたのだがな。
そしてギルドがあるターバンド国にも、やはり同じく俺が錬金術士の魔法をしていたのだが??、どうしてわからないのか。
フランツ
種族 人族
年齢 17
職種 錬金術士
スキル
剣術F 物理攻撃耐性F 魔法攻撃耐性F 身体強化F 鑑定F 話術F 付与F アイテムボックスF 採掘F 採取F 狩猟F 飼育F 園芸F 栽培F 畜産F
装備
ミスリル剣 伝説級
ミスリル靴 伝説級
ミスリル鎧 伝説級
ミスリル小手 伝説級
ミスリル首飾り 伝説級
ミスリル指輪 伝説級
錬金術
錬金結界 伝説級
鉄打ち 伝説級
ミスリル壁 伝説級
鋼鉄爆破剣 伝説級