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気付いてもらえて嬉しいよ
誰もいないような朝早い時間の教室。外から聞こえるのはテニス部の朝練のこえ。誰も知らない。知らなくていい。そっと、窓辺に咲く花に水を灌ぐ。これは結局自己満足。誰のためでもなくて、自分のため。
ふと目をさげると、花のプラントに黄色い付箋。はがしてみると青ペンの文字。少し雑に書かれた言葉。
『いつもありがとう』
「ふふ・・・。」
これが誰かんなんて検索しない。知らなくていい。いったん机に戻り筆箱を出す。中にあった手の形をした付箋とピンクのペンを取り出す。
『どういたしまして』
勝手にやってることだけど…。
気づいてもらえて嬉しいよ。