世界観設定
【エデルカンド】
ゲームの舞台となる大陸。
剣と魔法が息衝く典型的なファンタジー世界。
東方ほど寒くなり、西方ほど乾燥していく。
大陸東端は『大氷壁』と呼ばれる永久凍土に閉ざされた極寒の地で、大陸西端は全てが乾ききった『熱死の砂海』と称される大砂漠へ沈む。
魔族と人類が大陸中央帯を挟んで、それぞれに文明を築き発展している。
北側が魔族支配領、南側が人類勢力圏。
魔族と人類は3000年以上前から反目と対立を続けており、歴史上何度となく激突し種族間闘争を繰り返してきた。しかし双方の力が概ね拮抗しているため、決定的な勝敗はついていない。
過去に高度な科学技術を以って繫栄した古代文明が存在したが、何らかの理由によって崩壊し、現在は稀に遺跡や関連の遺物が見付かる。
【魔族】
エデルカンド北部に分布する種族。
姿形や習性が多岐に渡る複種分枝の生物群で、非常に多くの傍系が混在した社会を作る。
人類と比べ異形的な外観の者が多い。
持って生まれる魔力や能力により、下級・中級・上級・特級の四段階に分類される。
基本的に共通傍系種のコミュニティ『氏族』で固まって暮らす傾向にあるが、大きな都などは多様な魔族が入り混じって共生する。
魔力至上の実力主義が浸透し、強い者(知能面・実力面)が偉いという思想が根強い。そのため各氏族の長は魔力・知力・武力に優れる者が選出される。
異なる氏族間で交配した場合、生まれてくる子供は両親どちらかの氏族特性を色濃く受け継ぐ。
竜族など一部の例外を除き、平均寿命は人類と大差ない。
【魔力】
この世界ハスヴァに存在する要素。
あらゆる生物や物質は、生まれながらにして魔力を内包している。
力の根源となるもので、知的生命体であるほど自在に操れる。
普段は体内を静かに循環しているが、意識的に活性化させることで、赤紫の色彩を帯びた対流として体外へ放出される。
溢れ出た魔力を纏う、あるいは体内へ再度取り込み巡らすことで、その者の身体能力や強度、感覚器官や賦活力を増大させることが可能。
たとえ非力な子供でも、魔力を付帯すれば大岩を砕く事が難しくない。手足が千切れようと、素早く繋ぎ合わされる、ないしは再生復元する。
それに加え魔力の扱いに熟達する者は、魔力それ自体を体外で凝縮固着させ、己が望む事象へと変換し操作することができる。任意に奇跡を起こす、そう言い換えてもいい。これを『魔法』と呼ぶ。
魔力に関わる影響は、用いる魔力量が多ければ多いほど効果が大きくなっていく。即ち多大な魔力を持つ者ほど強いということ。
生物が宿せる総量は生まれながらに決まっており、消費しても時間経過によって回復するが、上限値を超過することはない。
だが外から魔力を取り込み、自身の上限以上に魔力を蓄えられる例外が極僅かに存在する。
魔族は持って生まれる魔力量が人類より多く、本能的に巧く扱える。
一方で人類は魔力の齎す効果を阻害し、打ち破る技術を発展させてきた。
【魔王】
全ての魔族を束ね上げる絶対者。
その名が示す通り魔族の王。
破格の魔力を誇り、数々の奇跡を行使する。
一応世襲制ではあるが、現魔王へ一対一で挑み、実力で降し王位を簒奪することは認められている。
魔王の条件は、あらゆる魔族の頂点に立つ最強最大の実力者であること。
これは単純な戦闘力のみならず、為政者として政治面での能力も含まれる。
王位の継承は、新しい魔王が旧い魔王の心臓を喰らい、魔力を自身へ取り込むことで完了となる。
前魔王は魔族の大軍勢を率いて南征し、人類勢力を屈服させる寸前まで追い詰めた。
しかし人類の中から現れた勇者との戦いに敗れて死亡。魔王というカリスマを失い、魔族軍は混乱と内紛へ陥り、人類の反撃によって瓦解した。
以後10年間、魔王の座は空位のままである。
【勇者】
人類の中から現れた英雄。
魔王に匹敵する絶大な魔力を有し、一戦士としても、軍略家としても優れた傑物。
魔王とは何度となく激闘を繰り広げ、互いに最大の障害、首を狙い合う宿敵同士であった。
最後の戦いにて魔族の軍勢内を駆け抜け、単身魔王へ挑み、これを撃破。
魔王の心臓を破壊し、営々と継承されてきた王の魔力を霧散させる。
その後、劣勢へ追いやられていた人類勢力を牽引し、乱れ乱れる魔族を叩き潰していく。
人類勢力圏深くまで食い込まれていた戦線を押し戻し、逆に魔族支配領へ侵攻する廃滅遠征を主導した。
だが魔王との死闘で受けた傷が着実に命を削っていき、遠征の途上で死亡する。
【人魔戦役】
10年前に起こされた魔族と人類の種族間闘争。
魔王による南征で始まり、人類勢力圏の悉くが制圧された。
だが人類側から勇者が現れたことで状況は一転。劣勢から膠着状態へ移行し、勇者が魔王を討ち果たしたことで人類優勢となる。
勇者率いる魔族廃滅遠征により奪われていた勢力圏の奪還と、魔族支配領への侵攻で完全に戦局は逆転した。
人類軍は北進しながら魔族の生活圏を蹂躙し、非戦闘民であろうと容赦せず略奪と虐殺を繰り返す。敵種根絶を掲げ、歴史上最も大勢の魔族を殺害している。
遠征の途上で勇者が死亡すると、人類は戦争被害の立て直しのため陣営を引いた。この時、既に魔族支配領の7割以上を平らげていた。
こうして魔族と人類の大規模戦争は、人類の大勝によって終結する。
そして人類による大陸統一の気運は残り続け、以後も段階的に魔族狩りは続けられてきた。
【12暦】
ハスヴァでは30日間を以って一つの時節として区切り、これが12期巡ることで1年となる。
各時節は「〇竜の月」として表される。
これは創造神が世界を維持するために遣わしたという12守護竜の伝承に准えてのこと。
日本の暦に当てると以下の通り。
氷竜の月=1月
水竜の月=2月
風竜の月=3月
地竜の月=4月
雷竜の月=5月
溶竜の月=6月
火竜の月=7月
焔竜の月=8月
破竜の月=9月
光竜の月=10月
闇竜の月=11月
魔竜の月=12月
【ウマイアップル】
魔王が生前に品種改良して作り出した果物。
見た目は赤みの濃いリンゴ。
これ一つで魔族の生存に必要な全ての栄養素を摂取できる完全栄養食。
しかも食べた者の好みの味が発生するため飽きがこない。
非常に優れているが栽培は難しく、魔王亡き今、魔王の魔力が色濃く残留している土地でしか実らない。
【魔導炉】
魔王が生前に造成し拠点へ配置していた魔法装置。
自動的に魔力を生み出し、それらを膨大な量保存しておける画期的なシステム。
しかし魔力を上限以上は得られない(消費分は時間経過で自然回復する)大多数の魔族にとって、そこまで有用な装置とは感じられない。
これが真価を発揮し、恩恵を最大限に受けられるのは、外から取り込んだ魔力を上限以上に蓄えられる一握りの魔族のみ。
【ゴーレム】
岩や鉄など無機物を用いて作り上げた器へ、魔力により疑似的な生命を吹き込んで使役する魔導人形。
術者の指示に従って如何様にも動き、労働力や兵士として利用される。
一般的なゴーレムは自我を持たず、命令通りに動くだけの存在。
だが優れた術者が多くの魔力を注ぎ込めば、人格をも形成し、一つの魔族傍系種に数えられるほどの完成度へ至る。