両想いのクリスマス
彼と私の両思いになって初めてのクリスマス。
もちろん、両親と一緒に家族パーティーをするのだけれど、少し二人だけの時間もほしかった。受験生でもある私は、勉強の合間に私の部屋に先生を呼んだ。両親にはまだ秘密にしていてばれたら困る関係だったけれど。
「これ、クリスマスプレゼント」
部屋にこっそり入った先生は、すぐに私に手渡した。
「喜んでもらえるかはわからないけれど……」
相変わらず、不器用な男だ。
「誕生日のお返しは来年の誕生日にするから」
私は、来年も一緒に居ようという言葉がとてもうれしかった。
何だろう……?
指輪?
「婚約指輪、受け取ってほしい」
私が固まっていると
「指輪なんて重かったかな、安物だし……」
「指輪、はめてよ」
私が手を差し出すと、慣れない手つきで 指輪を私の左手の薬指にはめた。
うれしい、やっぱり先生のことが大好きだ。
「これでお前は俺のものだな」
少し照れた顔で慣れないセリフをつぶやく。
「卒業するころに両親にはちゃんと話そう」
「好きだよ、先生」
「好きだよ、あかり」
クリスマスの夜は、甘くとろけるケーキのような二人がいたのだ。
卒業して二人は晴れてお付き合いをはじめることになるのだ。
ここからが本当のスタート。
手つなぎデートも問題ない。
目撃されても問題ない。
いつか結婚するのかもしれない。
でも、結婚がゴールではない。
そこからがスタート。
私は大学に入り、卒業したらいつかは先生のお嫁さんになる。
それが、今の夢。ほら、今日も隣に先生がいる。