先生の寝言
先生は疲れてソファーで寝ていた。
誰もいないので、近づいて顔をみつめてみる。
やっぱり、整った顔をしている。
人気があるのも少し納得だな。
寝言をいいながら、急に私のことを抱き寄せる……。
何? この、急な展開は?
「……あ……か……り……」
かすかな寝言で、あかりって言ったよね?
さらに寝ているこの男は、私を自分のほうへ抱き寄せた。
寝ているんだよね? 何の夢??
♢♢♢
流牙先生視点
あかりが俺の前にいる。俺はあかりに質問した。
「どうした?」
「先生、好きだよ」
「それは……困る。俺は担任だ」
「好きなものは好きなの。しょうがないでしょ」
あかりが俺に抱き着いた。俺は彼女を受け止めて……
キス……? この態勢はキスなのか……?
俺はやっぱり、あかりのことが好きだというのか??
唇に何かが当たった?
あれ? なんだ、夢か?
このような夢を見るなんて、どうかしているな。
思春期男子みたいだな。
――と思ったら…………目の前にあかりがいた。
しかも顔が近い。これは夢の続きだ。きっとまだ夢なのだ。
でも……まてよ、現実か??
瞳を開くと、目の前に赤面状態のあかりがいた。
さっき唇に何か当たったのは夢だったのか?
すると、あかりが俺の頬にキスをした。
え……? 不意打ちだ。
これはまずいのではないか? 教師としては。