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本当は仕事なんて行きたくない。

作者: Spirytus

 

 ため息が出るよ。朝から。


 また今日も、いつも通り出社して、いつも通りパソコンに向かって仕事して。

 お客さんがきたら、お客さんの相手して。愛想笑いして。


 ようやく夜になって退社時間になる。

 でも帰れない。定時は帰る時間じゃない。

 もちろん自分の仕事が残ってるんだから仕方ないよね。


 そう自分を納得させたって、納得できるはずない。

 なんでこんなに業務量が多いんだよって、叫びたくなる。


 仕事内容だって、業務量だって、給料に見合ってないと思う。

 でもそんなこといったところで、お前の能力じゃそんなもんだろって言われるんだろう。


 ほんとに?

 じゃあなんで私より成績低かった人が私より給料高いの?

 どうして私より早く帰れてるの?


 いい会社に入ったからって、幸せとは限らない。

 そんな仕事に就いた私が悪い?


 世の中、努力だけじゃないんだよ。

 それなのに、努力したものが報われる、と呪文のように皆が口をそろえて言う。


 だからこの言葉にならない気持ちなんて、誰にも言えない。

 友達にだって言えない。

 職場の人にも言えない。


 みんな黙って仕事をしてるから。文句言わないで仕事してるから。

 だから私も我慢しなくちゃ。


 もういっそ、操り人形みたいに、感情がなくなればいいのに。

 

 そうしたら、明日仕事に行きたくないなんて思うこともなくなる。



  

 時々泣きたくなるんだよ。

 自分の人生、本当にここで過ごしていいのかって、悩むことだってある。


 でも辞めるなんて選択肢は自分の中にはなくて。

 そんな勇気だってなくて。


 トイレでそっと泣いて、また職場に戻るんだ。


 自分のデスクに積み上げられている書類を見て、現実に戻されて、ため息をつきたくなる。

 

 みんなできてるからって、私もできるって思わないでよ。


 優秀な人と同じ仕事を私に押し付けないでよ。


 それが出来て当たり前みたいに思わないでよ。


 私は必死に業務をこなしてるんだよ。


 私は必死に生きてるんだよ。


 私はみんなが思っているほど、出来る子じゃない。


 でも、そんなの分かってほしいなんて我儘、


 言えなかったんだ。

 




仕事には愚痴がつきものです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 半分共感出来ました(*゜∀゜) やたらとツラくなる時があって、シャワーで涙を洗い流す的な状況に陥る事が。 [一言] 私は今の仕事が好きで、むしろ残業したいのに、家庭の事情もあり、仕事優先…
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