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手のひら
僕たちは暗闇の中で迷子だった。
不安で潰れそうなとき偶然触れたのが君の手だった。
君の手はあたたかくて僕に小さな勇気をくれた。
暗闇の中でも少しずつ前に進めるだけの勇気だ。
それはちっぽけな力だったかもしれない。
けれど僕には大きな力だった。
いつか陽のあたる場所にでたとき、君は僕のもとを離れるかもしれない。
例えそのときが来たとしても僕は君を責めはしない。
君が光の中で微笑んでいるのならそれだけで満たされるんだ。
だから、今はただ君の手のひらのあたたかさを記憶に刻みつけよう。
行く先が違ってもしかたないよね。
でも、もしも同じならうれしいよ。




