トワイライト
どんなに光の届かない暗闇の中を歩いていても、やがて陽のあたる場所へ出て行く人はずっと前から決まっているのかもしれない。
生まれたときから光の中にいる人もいれば、何も見えない闇の中から出てゆく人もいるのだろう。
それならわたしは? わたしは一体どこにいるのだろう?
真っ暗闇の中とも言えず、かといって光の中ともいえない。
ここはどこだ?
薄明かりの中をわたしはもがくように進む。
光の中に出たいのに、もがけばもがくほど闇がまとわりついて身動きが取れなくなる。
時折息が出来ないほど苦しくなって、独りきりでむせび泣く。
闇の中ではその声すら誰にも届かない。
どんなに苦しくても、どんなに悲しくても、誰も助けてはくれない。
だから独りきりで泣くしかない。
せめて薄明かりの中にいようとゆっくりと浮上してきても、そこは光が作る陰でしかなくやはり苦しくて仕方がない。
何もかもを諦めてもう何も欲しがらないと決めたとしても、光の中できらめく幸福な微笑みを羨望の眼差しで見やってしまうのだ。
欲しいのなら手を伸ばせばいいと光の中にいる人はさも簡単そうにいるけれど、わたしがどんなに手を伸ばしても得るものは何もない
ことを知っている。
結局わたしは何ひとつ得ることはできず、何ひとつ与えられることもない。
薄明かりの中で闇にまみれながら、そこから出て行く人たちを羨むことしか出来ないままなのだ。
ポツリと立ち尽くすわたしの前には道などなく、進むことも退くことも出来ずに途方に暮れるだけ。
時折はぜるように輝く光をぼんやりと眺めながら、薄明かりの中でゆっくりと朽ちていく。
急に悲しくなって書いてしまいました。