エンノシマ消滅
艦隊とは別に行動している航空隊が、先行して敵要塞、エンノシマに接近しているのを、マリと斜影は千里薬で確認した。
艦隊は後数時間で、エンノシマを肉薄する。
だがその時、エンノシマ付近の空間が捩れた。
「何だあの巨大戦艦は!」
だが、次の瞬間、エンノシマ自体も歪んだ空間に飲み込まれた。
「―。」
斜影は息を飲んだ。
航空隊は次々に海上へ堕ちて行く。
(コロセアムは世界を破壊する大質量兵器を開発。それを使い、天の穴を破壊し、あの世とこの世の道が寸断されてしまいました。現在起こっている異常気象も、それに伴う物です。天の穴に吸い込まれていた氷塊の水分も、天の穴に吸い込まれなくなる一方で、南方の地からの水は増え続け、このままでは海水が増加。陸地は全て沈んでしまうでしょう。大質量兵器は、コロセアムの魔方陣により形成たれたものです。よって、この魔方陣を破壊してください。魔方陣は現在、コロセアム国の総統府内に一つですが、今後も増加する一方でしょう。この世界が沈んでしまう前に、コロセアムを滅ぼし、魔方陣を破壊してください。)
女神フェニコスが再び、斜影の前に現れた際に言われた事を思い出す。
「分かってきた。エンノシマに、第二のブラックホールがある。それにより、自転軸が狂って、あの世とこの世の道が寸断されたって事か。以前、偵察した時には気が付かなかったが、自力でブラックホールを操作しているってことかもな。」
「歪みはずっと残っている。艦隊はこのまま、エンノシマを目指します。」
「了解。」
「斜影。この戦いが終わったら―」
「黙っていろ!」
ミーリャに怒鳴る斜影。
ミーリャが言おうとしたセリフは、最悪のシナリオを誘発するセリフだったからだ。
「分かっている。」
答える代わりに、斜影はこう言った。




