空母発見
レーダーが敵空母を捉えた。
「大型空母確認。隻数3。」
後席のジェーニが言う。
「了解。海面スレスレで飛んで空母に突入。ミサイルぶつけてあの世へレッツゴーっと行こう。」
前方に空母が3隻。その他、随伴艦が見えた。
「ロックオン出来てるよ!」
「マジ?なら、ミサイル発射!」
一発だけ撃つ。
発射されたAIM‐9は先頭にいた大型空母に命中。空母は爆発し艦首が沈み始めている。
「このまま音速突破して衝撃波で壊す!」
超音速を出すため、機首を下げ、アフターバーナー点火。
(低高度で音速を出す場合、マッハ2以上出さなければ、自分が出す衝撃波が地面に跳ね返ってきて自分も吹っ飛ぶ。)
まもなくマッハ2になる。
高度を限界まで下げて、敵艦隊の真上を通過。
真下にいた艦がバラバラに砕け散る。
「やったのは空母!?」
「違う。護衛している木造帆船よ。でも、空母も損傷したみたいね。このまま真上からミサイルを撃って。」
「この機はもうお爺さんよ!ファントムお爺さんって呼ばれているくらいね!無茶苦茶やらせる。まっ、異世界に来たファントムは、これくらい派手なことしなきゃ、満足出来ないでしょう。Gに備えて!」
F‐4を急上昇させ、空母の真上から垂直降下。
(インメルマンターンからの急降下。こんな曲芸、ブルーインパルスに匹敵する。百里でやったらぶん殴られるわねきっと。でも―。)
前方に、さっきの衝撃波で損傷した空母を捉える。
「行ける。ロックオンしているよ!」
「一発ぶちかませ!」
AIM‐9を発射。
「引き起こせ!海面に突っ込む!」
「やってるよ!分解するな!持ってくれ!」
思いっきり操縦桿を引く。
機首が上がる。
海面ギリギリで上昇を開始。
真下で空母が爆発。
「やった!」
だが、敵艦隊の対空砲も火を吹いている。
「残る空母は1。竜騎士達が出てきている。この状態だと、また前からアタックしなければ―。」
「やるわよ。ジェーニ。怖かったら、脱出してもいいわよ。」
「いいえ。逃げない。マリと一緒なら、怖くない。斜影がこの場面を見ているかは分らないけど、今はマリと一緒だから。」
それに、マリは沈黙で答える。
「再度、マッハ2以上出して突っ込む。オラオラもっと早く飛べこの。」
「戦闘機乗りは血の気が増えるのか、女性も男みたいになってしまう。上等よ。いいぞいいぞいい感じよ。」
全身の血が煮えたぎったかのように感じるマリとジェーニ。
F‐4を再度加速させ、マッハ2以上の超音速で低高度進入。
「ミサイル発射!機銃も同時に喰らえ!」
甲板に並ぶ60近い龍に機銃掃射。
竜騎士団は飛び立てず、機銃でバラバラになる。そして、空母も吹っ飛ぶ。
「よし。ミッション終了。燃料が続く限り、本隊の対空護衛に向かうわよ。」
マリが言う。しかしジェーニはなかなか返事ができない。
「ジェーニ?」
「ゲッホゴホ。」
「やりすぎた?」
「一瞬、死にかけたわよ。」
「あっ―。それなら、一度「酒匂」に戻って―。」
「いいえ。本隊の対空護衛を―。」
だが、マリはF‐4を「酒匂」向けていた。




