敵艦隊出現
だが、その前に大変な事態が発生した。
ジパング帝国の海域を目指し、コロセアム艦隊が向かっているというのだ。
「コロセアム帝国総統、ツン・ジマレ座乗の巨大戦艦も含まれています。」
ここで初めて、斜影は敵の親玉の名前を知った。
「センスねえ名前。しかも、大将ズドドーンなんてバカだ。ぶっ殺されたらあの世へレリゴーじゃすまないよ。コロセアム滅亡だ。」
コロセアム海軍所属の巨大戦艦ニョウ・タイン・ケイン艦上、コロセアム総統ツン・ジマルはアイリス合衆国海軍の潜水艦に接近されていると言う事を無視し、ジパング帝国の魔術師ブラウが居る島を目指していた。
護衛するのは戦艦6隻、赤龍母艦7隻、小型赤龍母艦4隻、巡洋艦11、その他駆逐艦30隻以上。
「ブラウに打電。我、ジパング帝国総統を兼任する。ジパング帝国帝都は、エンノシマ。現帝都は我が艦隊の赤龍が破壊する。」
巨大戦艦ニョウ・タイン・ケインの艦橋から、テレパスを用いてブラウへの通信が行われ、同時に、赤龍母艦から大量の赤龍が出撃した。
ジパング帝国国会議事堂に、テレパスを傍受した官僚が飛んでくる。
同時に、ミーリャも聞いたらしい。
ミーリャも飛んできた。
「直ぐに迎え撃つ用意を―。」
「遅過ぎる!」
ビスマルクが叫ぶ。
車椅子から立ち上がって、カトリーヌが来る。
「総統が出てきたと有れば、この私も出なければならぬ。」
「カトリーヌ様―。」
「こちらの戦艦「大和」以下、10隻の艦艇は先行してエンノシマへ向かわせる。もうモタモタ訓練している場合ではない。そうではないのかね?斜影。」
斜影は有無も言えない。
この状況では、訓練しても無駄だ。
「はい。戦艦「大和」と軽巡洋艦「矢矧」、駆逐艦「雪風」以下10隻の第一遊撃艦隊は直ちに出撃。同時に、帝都全域に緊急避難命令を発令。私も空からエンノシマへ入り、奴を、ブラウを叩きます。」
「帝都を捨ててでも、国は守る。ミーリャの婚約者ということを国民に解らせるという意味で、必ず勝ちに行く。もし、私が倒れたのなら、次の総統は君だ。」
斜影は89式5.56mm小銃を背負い、カトリーヌに敬礼して応えた。
「待って斜影。」
ミーリャもついて行こうとする。
「ミーリャ。君は帝都の市民達のそばにいてやってくれ。」
「死ぬときは私も一緒。斜影。行くなら私も―。」
「もしミーリャが死ぬときは、国も、俺も死んでいる。必ず戻るよ。ミーリャ。」
斜影はこのとき初めて、自分の意志でミーリャとキスした。
「行ってくる。」




