作戦案
「実を言いますと、私以外にもう一人、私と同じ世界からこの世界に来た人がいます。その方は、この世界の赤龍や飛行船よりも早く飛ぶことが出来る物を携えております。」
斜影はマリの携えている、と言うより後になってこの世界に召喚された物を思い出した。
F‐4ファントム。航空自衛隊の戦闘機だ。
一機だけではあるが、この世界においては斜影のエアガン同様、驚異的な物だ。
いや、それ以上だろう。
マリもこの場に来た。
「では、役者が揃った所で、私から作戦を立案させてもらいます。」
斜影は地図を見ながら言う。
「ビスマルク様の話では、この島は海から接近すれば、魔術で船は皆殺し。陸から接近するにも橋しかなく、島と陸の間には巨大鮫がウジャウジャ。要するに、陸もダメ。海もダメ。八方塞がりの要塞の島と言う事ですね?」
ビスマルクが肯いた。
「ですが、我々にはそれを凌ぐことの出来る兵力があることをお忘れでは?」
「どういうことだね?」
兵器開発局長のロベルトが眉間にシワを寄せた。
「空から接近するのです。アイリス合衆国が開発した航空機。そして、ここにいるマリ殿が持つ、魔道具で。」
「空から?」
「ええ。まず先遣隊として、アイリス合衆国からジパング帝国に配備された航空機で島を空爆。島に居る敵兵は空からの攻撃でパニックになるでしょう。その隙をついて、飛行船で島に着陸。魔術師ブラウを倒した後、マリ殿の魔道具で島を完全に破壊。または焦土化する。これならば、戦艦による砲撃戦より確実に仕留めることができるでしょう。もちろん、長距離射撃に特化した戦艦で出撃しても良いかもしれませんが、ブラウの魔術で皆殺しでしょうな。」
ビスマルクを始め、多くの者が「なるほど」と言った。
「マリ。この島を攻撃する場合―」
「サイドワインダー等のAIMはナンセンス。やれなくは無いが変な方向に飛んでいって、下手すれば身方を誤射。使えるのは機銃だけね。」
マリは首を振った。
「それから、対空攻撃は無いとするけど、万が一の場合に備える。空中をノタノタ飛んでいたら、的当てと同じ。なるべく早く飛べないといけない。」
「F‐4を音速の2倍。マッハ2で、低空で飛ばした場合、その衝撃波でぶっ飛ばせるか?」
「自爆するよ。」
斜影は「ふーむ」と考える。
「しかし、空中からの攻撃はブラウへの対抗法として、有力であろう。では次回、作戦実行に向けた会議を実行し、それに向けた兵力の調整を行って行こう。」
これで、会合は終わった。




