独立国誕生
ミーリャと斜影が結婚することに反対する勢力が、自らの国を作ると言い出した。そして、一方的に国が分裂された。
国土の5%ではあるが、かなりの脅威である。
幸いなことに、石油が沸き出す地域は含まれていない。
だが、石油がなくても魔法の力は侮れない。
斜影の世界では、石油が主なエネルギーの1つであるが、この世界は魔法が主力で石油は補助的なエネルギーである。
アイリス合衆国やジパング帝国の軍艦も、石油で動く物もあるが、大型戦艦は魔石の魔力で動いている物が多い。
旧日本海軍が大和型戦艦を温存していた理由の中に、大型戦艦を動かせば大量の燃料を消費してしまうためという理由もあるようだが、確かに石油が無ければ動けない戦艦は、石油が無ければ鉄屑と同じであろう。
「婚礼儀式の後、この勢力を叩き潰す必要があるでしょう。将来的な事を考えると。」
アイリス合衆国特使であるペリスが言う。
「斜影には、嫌な状況だな。」
ビスマルクが渋い顔をして言う。
「未来に不安を残したままでは、将来何が起こるか解りませんぞ。」
アイリス合衆国とジパング帝国は、ジパング帝国内部の反乱分子を潰す事で一致してはいる。
斜影には嫌な状況だ。
戦争中に婚礼をするということ事態が不安なのだ。
しかし、斜影は自分が単にビビっていたがために、余計に状況を悪くしたと思っている。
実際、斜影は先にコロセアムを潰してから婚礼儀式をと考えていたのだが、そのために状況が悪くなった。
そして、斜影は本気で愛しているという実感が沸かないミーリャと結婚するという事も拒絶したいという本音が見え隠れ。
だが、先日、斜影を89式5.56mm小銃で助け、自らも傷を負いながら最後まで斜影を守り抜こうとしたミーリャの姿に心を撃たれ、ミーリャとなら結婚しても良いと思い、この世界でM134を躊躇いなく使用したのだ。
しかし、その時には出遅れになる寸前だった。
「昔、日本の政治家がモタモタしていたために、大地震で被災者が何万人と無駄死にした。それと、やっていることは同じだな。俺は。」
と、斜影は溜め息交じりに言う。
斜影の居る部屋では、傷を負ったミーリャが寝ていた。
ミーリャも、戦闘で負った傷の1つが深く、風呂の石鹸でもなかなか治らず、痛がっていた。




