斜影の戦い
「斜影はそれを使って元居た交際相手から別れを切り出された。理由はどうあれ、嬲り殺しはやりすぎだと言う理由で。」
カトリーヌの言葉に斜影は頷いた。
「それもある意味では、世界を壊したと言う事になる。斜影から見た元の交際相手と過ごす未来の世界と、元の交際相手から見た斜影と過ごす世界。二つの世界をね。」
「カトリーヌ様。先日はあのような暴挙を行い、申し訳ありません。貴方は―。」
「ああ。皆、私の身を案じて、と言うより私がやられたことに恐れを成して逃げ出したのだろう。」
「―。」
「斜影。人というのは、戦いを何よりも恐れる物だと思う。逃げ出すというのは、人の本能の現れかもしれないな。」
「戦って死ねという命令であっても?」
「ああ。我々人間は、兵器でも機械でもない。感情を持った生き物。生命という火を持った生き物だからな。そして兵器は人を、生命として生きる物。人の生命によって動き、人の生命を奪う。」
「―。」
「斜影。君の戦いに必要なものは何かね?弾薬か?それとも別の物か?」
「解りません。ですが、これは言えます。」
「なんだ?」
「生き残りたい。そして、守りたい。」
「では、それを貫き通すために戦え。」
斜影は「弾が欲しい」と言えなかった。
斜影が戦う為の武器は、複製した物を更に複製したスパス12か、89式5.56mm小銃。そして、M134ミニガンだ。
遂に、こちらの世界でベールを脱いだM134の対策を、コロセアムが縫ってくることを考えると、押し負ける可能性が高い。
「この世界を、壊したくないな。」
斜影は、窓の外を見ながら言った。




