流れ者
斜影の前方からも馬に乗った集団が迫ってくる。
「くたばれ異世界サバゲーマー!」
「ちっ!」
斜影はスパス12を連射。
だが、倒しても倒しても出てくる。
路地に逃げる。
「ハンドガンを前に失った。今回はスパス12がお亡くなりになるかもしれない。そうなると―。」
斜影は必死になって、首相官邸を目指す。
空気を切り裂く音が聞こえ、斜影の身体が前方に吹き飛ぶ。
空気の塊が飛んできたのだ。
背中がかなり痛む。
倒れ込む斜影の真上から火弾が落ちて来る。
「畜生!」
斜影は痛みに耐えながら必死に立ち上がってそれを避ける。
敵の一人が斜影に馬乗りになってナイフを突き刺そうとする。
「クソ。クッソーッ!」
斜影は引き金を弾くが弾が出ない。
「ジャムってんじゃねえよ!クソォーッ!」
背後から銃声。
敵兵が倒れる。
「斜影!逃げて!」
ミーリャだった。
斜影は匍匐前進でミーリャの元へ向かう。
ミーリャは89式を撃ちまくる。
火弾を形成していた魔法使いを倒したらしい。火弾の雨は治まってきたが、最後の一発が斜影の足の近くに着弾。またも斜影は吹き飛び、ミーリャの足元で気絶してしまった。
だが、敵は引かない。
国会議事堂の守備隊が斜影を搬送する。
ミーリャも少しずつ後退する。
医務室に搬送される途中、斜影は目を覚ます。
「戦わせてくれ!」
と、医療隊に言う。
「あんたは怪我している!戦ったら死ぬぞ!」
「ミーリャが!ミーリャが死ぬ!」
斜影は医療隊を振り切り、自分とミーリャの部屋に向かう。
(もうこうなったら、アレを使う!世界がどうなってもいい!でもミーリャとマリとジェーニは、絶対に守る!)
ミーリャは必死に戦うが、もう首相官邸入口だった。
そして、ミーリャも傷だらけになっていた。
「最愛の人を守る銃。斜影の世界で最も優れた銃。斜影はこの銃で私を守ってくれるのなら、私もこの銃で斜影を守る!」
多弾マガジンが弾切れになる。
最後の通常マガジンを装填。
フルオートで撃ちまくるが、通常マガジンではあっという間に弾切れになってしまう。
弾切れになった瞬間、敵は一気に襲いかかる。
「世界を壊したいのなら、壊してやる!」
「ブーン!」と蜂の羽音のような音が響く。
6連のミニガンから物凄い弾幕が形成されていく。
「ミーリャ様。早く逃げてください。」
マリが言うのが聞こえたが、斜影にはM134ミニガンの音で聞こえなかった。
圧倒的な猛弾幕を前に、敵の一隊は手も足も出せなくなった。
毎秒50発近い勢いで発射されるBB弾の嵐である。先ほどとは立場が逆転。
いい気になって前に出てきていた10人の敵集団が後方へ吹き飛ばされ、他の敵も皆、慌てて後退するも被弾。
「この期を逃すな!」
守備隊が前進を始めたため、射撃を止める。だが、もうそこに敵の姿は無く、皆、死体になっていた。
そして、またも斜影は、21Kgもある巨体に引っ張られるように、地面に倒れた。




