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異世界サバゲーマー  作者: Kanra
戦火と婚礼
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斜影の89式

 ここまで言及してきた通り、斜影の現在のメインウエポンはスパス12と89式5.56mm小銃。ハンドガンのデザートイーグル。手榴弾サイクロンともう一丁。禁断の銃である。

 だが、斜影の89式は通常と異なる点が数箇所ある。

 1つはこの世界に来てから銃剣を装備したこと。そしてもう1つは、この世界に来る以前から装備していた物である。スナイパーライフルのスコープを付けている事だ。

 これにより、本来はアサルトライフルとしての使用がメインである89式が時にスナイパーライフルとしての役割をも発揮出来るようになったのだ。

 だが皮肉なことに、元の世界にいた時、アサルトライフルとスナイパーライフルという二足の草鞋としての実力を発揮する機会は無く、この世界で銃剣を装着して戦闘に加わって初めてその実力を発揮した。

 その戦闘は、サバゲーで暴れ回るというものではなく、この世界で生きるため、そして、ミーリャ達を守るための戦闘であった。

 斜影は風呂に入っていた。

 元の世界でのサバゲー中にスパイ戦で、至近距離でオーバーキルされ内出血を起こした傷跡も、動揺してミーリャが使用している石鹸を使用した際に消えていた。

 だが、傷は消えても、人間を疑う心は消えない。

 その原因は、自分ではなく外部からの物だ。

(こういう事言うと、「人のせいにして逃げるな!」ってクソみたいなこと言う奴だらけだったが、そう言う奴は言いがかりつけられた時に自分のせいにするんだろうな。そして、欝になって自殺し、ずる賢い奴が生き残る。まあ、俺の知ったこっちゃ無いか。)

 と、斜影は笑った。

 風呂を出ると、カトリーヌ邸の広い庭で89式を構える。

 射撃練習というわけではないが、どうも落ち着かない時にはこうしている。

「この世界に、居場所はある。そもそも、俺はこの世界で生まれる人間だったのかもしれないな。」

 と、つぶやく。

 その時、ミーリャも庭に出ていた。

「どうしたの?また一緒に夜空でも―」

「斜影。地平線を見て。」

 斜影はミーリャの様子がおかしい事に気付くと、直ぐにスコープで地平線を見る。

 地平線に近い南の空の低いところに異変があった。

 時々、淡いカーテンのような物が見えるのだ。

 いや、紛れもない。

「あれはオーロラだ―。」


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