月夜のサバゲー
夕食はマリが作った料理だった。
フィッシュアンドチップス。白身魚のフライに、ポテトフライを添えた物だ。
料理や町並みから見れば、ジパング帝国はイギリスのような国だ。
当初斜影は、ジパング帝国はマルコポーロの東方見聞録の日本に関する記述や、この世界の世界地図から、斜影の世界における日本であると考えていたが、国の雰囲気、文化から考えるとイギリス等のヨーロッパに近い国であるようだ。
(そのクセ、軍艦は日露戦争の頃の日本海軍連合艦隊。挙句の果てには戦艦「大和」と来たもんだから、わけが解らん。)
斜影は思いながら、ポテトフライを1本まるごと口に入れる。
「うっ!」
酷い程しょっぱい。塩を効かせすぎだ。
「あっそれ当たり!」
と、マリが笑って言った。
斜影は水を一気に飲む。
「ふざけんな!死ぬかと思ったわ!どこぞのチェーン店のポテトだってこんなしょっぱくないわ!」
「何?ケンカ?良いわよやってやろうじゃ―。」
マリが言った時、なぜか斜影だけミーリャに頭を叩かれた。
「食事中に喧嘩しない。」
(なんで俺だけ―。)
と思ったが、これ以上何かやれば状況が悪化しそうだったため止めた。
(異世界召喚物って、二つのタイプがある。一つはドンパチ。もう一つはハーレム。俺は両方ってことか。確かに女の子にチヤホヤされたいけど、どっちかっていうと俺は、戦っていたいな。)
夕食後だった。
斜影は一人、庭に出る。
(サバゲーって訳にはいかんが、シューティングならやれるな。)
と、斜影は思ったが、安全確保は大事だ。流れ弾が他人の目に入って失明したら一大事である。
安全にやれるか確認し、庭の木等にいらない紙やメモ用紙を配置。
使用する銃に弾を入れる。
使用するのはスパス12。
スタート地点からゴール地点までの間にランダムに配置したターゲットを撃ち抜いて行き、命中精度を測るのだ。
弾を使用するぶんだけ複製し、シェルに詰め、射撃開始だ。
銃声と、ターゲットにした紙が破れる音が響きわたる。
ターゲットは全部で10個。全てを撃ち抜いたところで、どれだけ命中したかを見てみる。
そして、もう一度弾を入れて、同じことをする。
用意した弾は120発で直ぐに無くなったが、これでも満足だ。
「身体が鈍る。ハーレムでモテモテな異世界生活ってのも、考え物かな。別に筋肉モリモリマッチョマンの変態ってわけじゃないけどさ。けっ。シュワちゃんみたいに、車のドアひっぺがしたり、片手でマシンガンぶん回したりしてえもんだがな。」
と、斜影が言った時、背後から目隠しされて大慌てで振り返ると、ミーリャがいた。
「わっ!」
「ビックリした?」
と、ミーリャが笑って言った。
「心臓が止まるかと思ったぜ。」
斜影は息切れしながら言った。
「今夜は月が綺麗だね。」
ミーリャは夜空を見上げて言った。
「そうだな。」




