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異世界サバゲーマー  作者: Kanra
白銀の地
34/92

給油中の一幕

 全行程の半分走ったあたりで給油のため停車。

 手動のポンプで給油するため時間がかかる。この間に昼食だ。

「何処の世界でも、ミリメシは同じか。うっ!クソだ味濃いな。」

 サバイバルゲームの時、昼飯はミリメシもどきのレトルト食品ばかり食べていたが、これは本物だ。

 給油作業をマリから変わる。

 斜影は見張りもしながら給油する。

 意外に燃料を使ったらしい。かなりの燃料を入れる。

(だーっ!メンドクセエ!)

 と、斜影は苛立つ。

「イライラしても、無駄よ無駄。」

 マリが言う。

「いや、早くしねえとヤバイかもしれんだよ。」

 斜影が焦る理由は別にあった。

 遠くに、黒い獣の姿を見つけたからだ。それも、6頭の群れだ。

「やばいと思ったら逃げねえとなんだが、まだ25%ぐらいしか入ってねえんだよ。」

「それだけあれば、70キロは走れるよ。」

「無茶苦茶だ。」

 と言いながら、斜影は給油作業を止め、エンジンをかけたが今度はエンジンが冷えて動かない。

「給油中エンジン停止ってのが裏目に出た!太陽光を当ててお湯かけるしか―。」

 遠吠えが聞こえ、猛獣が向かってきた。

「くっそ!こっちがエンジンかけるまで待っちゃくれないのか!」

 斜影は89式5.56mm小銃を構える。

「ミーリャとマリはエンジンを温め、エンジンかかったら逃げるぞ!俺が時間を稼ぐ!」

 銃剣付きの89式5.56mm小銃をセミオートで発砲。

 しかし、猛獣相手では効かない。

「クソ!」

 ミーリャがスパス12を投げる。

「ダメならこれで!」

 斜影は直ぐにスパス12を撃つ。

「3発同時発射なら、なんとか―。」

 しかし、これでもダメだ。

「こりゃまずい。」

「フルオートは?」

「やらないよりましだ。ただ、多弾ショートでどこまでもつか。」

 マリが言い、斜影はフルオートで撃つ。猛獣は後退りした。一部の弾が顔面に直撃したのだろう。

「エンジンかかった!」

 マリが言い、斜影はハーフトラックに飛び乗る。

 マリが車を急発進させる。

 吹きさらしの荷台部分から、斜影とミーリャが追跡する猛獣を銃撃。

 最高速度の75キロまで加速したが、それでも猛獣を振り切れない。

 更に悪いことに、突然周囲が霧に覆われ何も見えなくなった。

 1頭が荷台に飛び込む。

「この!」

 銃剣で斜影が猛獣を切りつけ、荷台の外に放り出す。

「後5頭。銃が効かねえなら、銃剣でぶった斬るしか無い。マリ、速度を落としてくれ。誘い込む!」

 マリがハーフトラックを減速させる。

 3頭同時に猛獣が飛びかかる。

 1頭はミーリャが猛獣の口に弾を打ち込み、もう1頭は斜影が銃剣で切り付けて倒したが、もう1頭がどうなったか分らない。

「わっ!」

 ハーフトラックがスピンして止まる。マリが襲われている。

「ミーリャ、後を頼むぞ!」

 斜影は運転席に進入した猛獣を切り付け、目玉にセミオートで撃ち込む。この猛獣の弱点は、至近距離での顔面への攻撃のようだ。

 顔面に攻撃を集中させ、猛獣を撃退したがマリは怪我をしたらしい。

「斜影、後!」

「わっ!」

 残りの1頭に背後から飛び掛られ、斜影はトラックの屋根に身体を打ち付ける。

 その弾みで、89式5.56mm小銃を車外に落としてしまった。

 押さえつけられる中、斜影は運転席に手を伸ばし、マリのスパス12を貰おうとしたが、手が届かない。

 片足をジタバタさせて追い払おうにも追い払えない。

 ミーリャも猛獣の後頭部を撃つが骨が堅く、逆に跳弾が自分に命中した上、蹴られて荷台に頭を打ち気絶する。

「くたばれクソ野郎。」

 マリが片手でスパス12を撃った。

 しかし、顔面に当たったものの倒せない。

 車外に89式5.56mm小銃が落ちているのを見つけた。

 マリは車外に出るが、猛獣に足を踏みつけられた痛みで、走れない。

 地を這って89式5.56mm小銃を手に取る。

 また地を這って猛獣に近付き、フルオートで顔面に打ち込む。

 猛獣は倒れて車外に落ちたが、落ちたのはマリの上だった。

 マリはショックで気絶した。


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