給油中の一幕
全行程の半分走ったあたりで給油のため停車。
手動のポンプで給油するため時間がかかる。この間に昼食だ。
「何処の世界でも、ミリメシは同じか。うっ!クソだ味濃いな。」
サバイバルゲームの時、昼飯はミリメシもどきのレトルト食品ばかり食べていたが、これは本物だ。
給油作業をマリから変わる。
斜影は見張りもしながら給油する。
意外に燃料を使ったらしい。かなりの燃料を入れる。
(だーっ!メンドクセエ!)
と、斜影は苛立つ。
「イライラしても、無駄よ無駄。」
マリが言う。
「いや、早くしねえとヤバイかもしれんだよ。」
斜影が焦る理由は別にあった。
遠くに、黒い獣の姿を見つけたからだ。それも、6頭の群れだ。
「やばいと思ったら逃げねえとなんだが、まだ25%ぐらいしか入ってねえんだよ。」
「それだけあれば、70キロは走れるよ。」
「無茶苦茶だ。」
と言いながら、斜影は給油作業を止め、エンジンをかけたが今度はエンジンが冷えて動かない。
「給油中エンジン停止ってのが裏目に出た!太陽光を当ててお湯かけるしか―。」
遠吠えが聞こえ、猛獣が向かってきた。
「くっそ!こっちがエンジンかけるまで待っちゃくれないのか!」
斜影は89式5.56mm小銃を構える。
「ミーリャとマリはエンジンを温め、エンジンかかったら逃げるぞ!俺が時間を稼ぐ!」
銃剣付きの89式5.56mm小銃をセミオートで発砲。
しかし、猛獣相手では効かない。
「クソ!」
ミーリャがスパス12を投げる。
「ダメならこれで!」
斜影は直ぐにスパス12を撃つ。
「3発同時発射なら、なんとか―。」
しかし、これでもダメだ。
「こりゃまずい。」
「フルオートは?」
「やらないよりましだ。ただ、多弾ショートでどこまでもつか。」
マリが言い、斜影はフルオートで撃つ。猛獣は後退りした。一部の弾が顔面に直撃したのだろう。
「エンジンかかった!」
マリが言い、斜影はハーフトラックに飛び乗る。
マリが車を急発進させる。
吹きさらしの荷台部分から、斜影とミーリャが追跡する猛獣を銃撃。
最高速度の75キロまで加速したが、それでも猛獣を振り切れない。
更に悪いことに、突然周囲が霧に覆われ何も見えなくなった。
1頭が荷台に飛び込む。
「この!」
銃剣で斜影が猛獣を切りつけ、荷台の外に放り出す。
「後5頭。銃が効かねえなら、銃剣でぶった斬るしか無い。マリ、速度を落としてくれ。誘い込む!」
マリがハーフトラックを減速させる。
3頭同時に猛獣が飛びかかる。
1頭はミーリャが猛獣の口に弾を打ち込み、もう1頭は斜影が銃剣で切り付けて倒したが、もう1頭がどうなったか分らない。
「わっ!」
ハーフトラックがスピンして止まる。マリが襲われている。
「ミーリャ、後を頼むぞ!」
斜影は運転席に進入した猛獣を切り付け、目玉にセミオートで撃ち込む。この猛獣の弱点は、至近距離での顔面への攻撃のようだ。
顔面に攻撃を集中させ、猛獣を撃退したがマリは怪我をしたらしい。
「斜影、後!」
「わっ!」
残りの1頭に背後から飛び掛られ、斜影はトラックの屋根に身体を打ち付ける。
その弾みで、89式5.56mm小銃を車外に落としてしまった。
押さえつけられる中、斜影は運転席に手を伸ばし、マリのスパス12を貰おうとしたが、手が届かない。
片足をジタバタさせて追い払おうにも追い払えない。
ミーリャも猛獣の後頭部を撃つが骨が堅く、逆に跳弾が自分に命中した上、蹴られて荷台に頭を打ち気絶する。
「くたばれクソ野郎。」
マリが片手でスパス12を撃った。
しかし、顔面に当たったものの倒せない。
車外に89式5.56mm小銃が落ちているのを見つけた。
マリは車外に出るが、猛獣に足を踏みつけられた痛みで、走れない。
地を這って89式5.56mm小銃を手に取る。
また地を這って猛獣に近付き、フルオートで顔面に打ち込む。
猛獣は倒れて車外に落ちたが、落ちたのはマリの上だった。
マリはショックで気絶した。




